Q.今年、高等部を卒業します。18歳になると支援区分の認定調査というものがあると聞きました。どんな調査なのでしょうか。
周りで受けた人の話を聞いていると、同じような障害のように見えるのに、人によって支援区分が4といわれたり、5といわれたりいろいろのようです。
お友達同士でどうしてうちと違うのかしらという話も出ています。1回の調査でうちの子のことが分かるのかしら、それで、この子のこれからが決まってしまうのかと思うと不安になります。 <227号>
A.本誌3面にもあるように、障害者総合支援法に基づく福祉サービスを受けるためには、この支援区分(非該当から区分1~区分6まである)を受けることが必要です。
この調査は、障害のそれぞれの特性に着目するのではなく、どの障害の方にも当てはまるように、80項目の基準によって審査するものとなっています。
5年前に、初めて支援区分を受けた方から、体験をお聞きしました。参考にしてください。支援区分認定調査は、3年ごとに更新がありますので、1回の認定調査で、将来が決まってしまうことにはなりません。
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私は18歳になった時に、障害程度区分(現在は障害支援区分)認定を母と二人で受けました。認定員という人が調査票をもとに、生活上で出来ること、出来ないことなどをいろいろ聞かれ、答えました。後に出た結果は区分4でした。
数年なんの疑問もなく過ごしていましたが、ある日、日中活動の場で区分4だというと、周りの人から私の身体の状態で区分4はおかしい。と言われました。ちょうど認定の期間更新だったので、今度は日中活動の場の相談員の人に同席してもらいました。
前回同様聞き取りに答えていると、相談員の人が「それは調子が悪いとできないよね」とか認定員の人が「ここはお母さんがやってますね」と進めようとするのを「いや、やっているのはヘルパーさんですよね」とか、出来る出来ないだけでは回答にならない項目に、文書での付け足しを求めるなど、いろいろ修正をしました。後に出た区分は区分6でした。
<同席した相談員より>
当たり前ですが、みなさんなれていませんし、がんばれば(無理をすれば)出来ることなどを「出来る」と言ってしまいがちです。日常生活のことですので、出来ないときや困る時を基準に考えましょう。そうは言っても分からないことが多いと思います。日常にかかわっている支援者などに同席してもらうことをお勧めします。
【80項目の内容】
1.移動や動作等に関連する項目(12項目)
2.身の周りの世話や日常生活等に関連する項目(16項目)
3.意思疎通等に関連する項目(6項目)
4.行動障害に関連する項目(34項目)
5.特別な医療に関連する項目(12項目)
◆障害支援区分(紀さんの福祉情報)