●療育ねニュース(広報誌)に掲載している「こんなときどうするの?」をまとめました。
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2026年5月号 No.285
Q.(前回の続き)現在中学生、重心・医ケア児の卒後の進路に大きな不安があります。生活介護に受け入れてもらえるかもわからない、親がもしもの時の預け先、親から自立した生活の場は?このような声はどこにどうやってあげたら良いのでしょうか?
A. この質問をさせてもらった重心・医ケア中学生の子を持つ保護者です。前回この誌面でお話してくださった親の会“重心守る会”の会長・山崎さんらと共に、川崎市に新たな要望書を提出してきました。
今回初めて、重心守る会の会議に出席し、要望書作成に参加させていただきました。要望書の作成にあたり、夜な夜なzoomで集まり、話し合いを重ねました。オンラインなど無いずっと以前からこうして先輩方が行政に声を届けてくださっていたのだと実感しました。
川崎市健康福祉局・障害福祉部・障害計画課にアポイントを取ってくださり、4月21日にドキドキしながら川崎市役所本庁を訪ねました。会議室では3名のご担当者様が対応してくださり、和やかなムードの中、山崎さんが要望書を読み上げて下さいました。要望書の内容に加え、同行した皆で更なる説明をし、切なる思いを伝えました。役所の方々も真剣に耳を傾けてくださいました。
要望書の概要をご紹介致します。
◆「川崎市重症心身障害児(者)を守る会」要望書◆
川崎市長 福田紀彦 様 令和8年4月21日
重症心身障害児(者)施策に対する要望書
川崎市重症心身障害児(者)を守る会会長 山崎健一
日頃より、本会の活動に対し深いご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
さて、重症心身障害児者施策に対する要望を下記の通り、とりまとめましたので、ご回答賜りたく、宜しくお願い申し上げます。
2026年3月、改正医療的ケア児支援法の骨子案(以下「改正医ケア児支援法」)が示され、18歳以上の医療的ケア者や重症心身障害児者も支援対象に加え、地域での切れ目ない支援や家族支援の強化が明確に打ち出されています 。しかし、川崎市の現状は、卒業後の通所先不足や、家族への過度な介助負担、親の高齢化への不安などが大きな課題となっています
。
医療的ケアのある人を含む重症心身障害児者が住み慣れた地域で必要なサービスを受けながら、どのライフステージにおいても「安心して」暮らせる仕組みを構築していただくよう、下記の通り要望いたします。
1. 支援学校卒業後の「通所先」および「日中活動の場」の早急な確保
特別支援学校卒業後の進路選択肢が極めて不足、且つ限定的です。医療的ケア児・重症心身障害児が卒業後に行き場を失わないよう、早急に新規受け入れ数を確保してください。
・「18歳の崖」の解消: 18歳以降、医療や福祉の制度の狭間で支援が途切れないよう、切れ目のない支援体制を川崎市として構築してください。
・ 新規受け入れ体制の確立: 医療的ケアが必要な障害者を含む重症心身障害者が卒業後に日中通える通所施設を早急に確保してください 。
・ 夕方支援(日中一時預かり)の整備: 生活介護施設は通常16時頃に終了してしまい、それ以降、重症心身障害者の受け入れ可能な事業所は非常に少なく、医療的ケアがあると受け入れ先はほぼありません 。学校時代と同様の通所時間を保障するため、夕方支援の整備や看護師が配置できる制度改革や補助制度を創設してください 。
・人材の育成: 介護職員が3号研修(特定の医ケア)を取得し、より多くの事業所で医療的ケアに対応できるよう支援してください 。
2. 保護者の「就労保障」とキャリア継続への支援
1を受けて、卒業後の通所時間が短いことは、保護者の離職、あるいはキャリア断絶、ひいては経済的に困窮したりする現状があります。卒業後も家族がケアのために離職することのないよう、支援を強化してください。
・親の就労継続の保障: 子どもの学生時代は放課後等デイサービスの利用で就労が可能でしたが卒業後は通所時間が短くなることにより、多くの親が離職やキャリア断絶の危機に直結しています。
・ 経済的負担への配慮: 兄弟児の進学や、親の介護のため経済的負担が大きい時期であっても、親が職場で責任ある立場を担いながら働き続けられるよう、実現可能な制度改革をお願いします 。
3. 「保護者の高齢化」と「親亡き後」を見据えた居住基盤の整備
障害の重度化と保護者の高齢化が同時に進むなか、将来への不安を解消する仕組みが必要です。保護者の高齢化と本人の高齢化に伴うケアの重度化が同時に進行しており、対策は待ったなしの状況です。
・ 入所施設の増設: 「ソレイユ川崎」開所から20年が経過し、入所待機は限界です 。現状を把握し、市内の南・中部地区にも医療的ケア対応の重症心身障害児者入所施設を早急に建設してください 。
・ 短期入所(レスパイト)の拡充: 介助者の休息以外でも、病気や怪我、冠婚葬祭などの緊急時でも確実に短期入所が利用できるよう、ベッド数の増床や看護体制の整備、介護職員の増員に必要な予算の増額を強く求めます。
・地域生活の推進: 「改正医ケア児支援法」でも示されている通り、本人の希望に応じて地域で自立して生活できるよう、医療的ケア対応のグループホーム等の整備を市として推進してください。
4. 当事者の声を反映する仕組みづくり
・意思決定過程への参画: 川崎市の施策に当事者の実情や家族の声を反映させるため、医療的ケア児等支援地域協議会に当事者団体として重症心身障害児(者)を守る会を参加させてください。
5. 実態調査の実施と施策の検証について
・行政による定期的な実態調査: 当事者・家族および福祉サービス事業者の双方を対象とした大規模な実態調査を、定期的に実施することを求めます。潜在的なニーズ(未充足の支援希望)を正確に把握することは、エビデンスに基づいた障害福祉計画の策定に不可欠であり、市独自の調査体制を早急に構築し実施してください。
・「ソレイユ川崎」開設20年を経た現状の検証と課題の抽出
重症心身障害児者施設「ソレイユ川崎」の開設から20年が経過した今、当初の役割が現在の多様化したニーズ(医療的ケアの高度化や親の高齢化等)に対し、充足しているかを客観的に検証することを求めます。現在の待機者数(短期入所、入所)や受け入れの状況を詳細に分析し、次期計画に向けた具体的な課題を明らかにしてください。
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