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卒業後の通所先はどうやって作られるのか


Q.こどもは、現在、特別支援校の中学部に在籍しています。まわりのお母さんから、医療的ケアがあると、卒業後に行くところがなくなるのではないかと、不安な声をよく聞きます。卒業後の通所先というのは、どうやって作られているのでしょうか。<169号>


A.ノーマライゼーションプランをご存知ですか。 川崎市は、ノーマライゼーションプランの理念に基づき、障害のある人が川崎で生まれ育ち、また地域で暮らしていく上で必要な支援が総合的に提供される体制をつくっていくことをめざしています。

 

さらに、特別支援学校等の卒業生対策として、「どのような障害があったとしても働くことを通じて社会に参加し、地域で自立した生活を営むこと」を目的に、昭和 60 年からすべての卒業生が日中通うことのできる施設の整備を進めてきました。

 

平成22年には、「特別支援学校等卒業生対策に伴う障害者通所事業所整備計画」を策定し、幸区・高津区・宮前区・川崎区に日中活動支援施設の整備を進めています。

宮前区と川崎区には日中活動支援拠点施設を設置運営することになっています。これらの施設は、川崎市が工事費等を補助することになっていて、運営事業所を公募するシステムになっています。

 

この拠点施設には、生活介護施設だけでなく、短期入所等、地域生活を送る上で必要な機能を統合した施設がつくられる予定です。

 

☆私たちのこどもが卒業する時にも、整備はされるのでしょうか。

 

今回は、第4次のノーマライゼーションプランとして、平成27年度~平成32年度までの計画策定となり、法律に基づいて、具体的な数値目標を設定することになっています。 

 

プラン策定にあたって、川崎市は、生活ニーズ調査を行い、この7月から8月にかけては、障害者団体からヒヤリングを行って、当事者家族のニーズをくみいれようとしています。そういう機会を利用して、ぜひ、質問をして下さい。

 

☆卒業生のお母さんから、医療的ケアのある人が通える施設が少ないと聞き、不安になります。今後医療的ケアのある人が通える場所は整備されますか。

 

第3次のノーマライゼーションプランには、「生活介護における医療的ケアの提供」の項目に、生活介護施設に常勤看護師を配置し、医療的ケアを必要とする重度の障害者の日中活動の場の確保をうたっています。

現状はどうなのか、これからできる施設で、どのように実施されるのか、当事者の立場で、現状はどうなのか、今後どのように整備されていくのか、聞かれてはどうでしょうか。

 

第4次プランは、12月には素案が作られた後、パブリックコメントや区民説明会も開かれる予定です。

 

「私たち抜きに、私たちのことを決めない」ように、当事者が、強く関心を持つことが求められていると思います。