· 

川崎市に「相談支援センター」がつくられると聞いたのだが、私たちも利用ができるのか


Q.今年の春に、特別支援校を卒業します。この機に、ケアホームの入居なども考えた今後の支援について、いろいろ相談にのってほしいと思っています。

川崎市には「相談支援センター」がつくられると聞いたのですが、私たちも利用ができるのでしょうか。<156号>


A. ★「相談支援センター」という「ことば」からして、聞いたことがありませんでした。川崎には今までもあったのですか。

川崎市では、全国に先駆けて、支援費制度が始まった2003年度に、市内すべての障害者施設やデイサービス事業者に「障害者生活支援センター」を併設し、利用者の相談を受ける体制を作りました。

2006年、この生活支援センターは、障害者自立支援法施行を機に、基幹型センターと地域型センターに再編されました。さらに相談支援の充実を図るために、2009年から1年間かけて、川崎市自立支援協議会で、相談支援事業の実施方法の検討がなされ、見直し案が作成されました。

2010年、川崎市は心身障害者手当削減し、そのかわりとなる「新たな在宅福祉施策」を提案しました。それまで、約2万1600人に支給されていた心身障害者手当を重複障害者のみの1600人にしぼることにより、浮いた財源の6億3千万円が、障害者相談支援センターの充実を含む「新たな在宅福祉施策」に回されることになりました。

2012年度には、このように財政基盤を整えた上での相談支援センターの再編整備案による委託先の公募があり、各区に1カ所の基幹型センターと各区3カ所の相談支援センターが2013年度から設置される事になりました。

これらの経過から見ても、障害福祉施策の中での川崎市での「相談支援センター」の位置付けは高く、今後の充実が期待されるのではないでしょうか。

★「相談支援センター」とは、どういうところなのですか。

川崎市の説明によれば、「川崎市の障害者手帳所持者数は3障害合せて約5万人で、手帳を所持していない方も含めると7万人以上に上ると考えられます。相談支援センターは、この7万人を超える障害のある方の相談をワンストップで受け止めることが役割」(Q&Aより)とされています。

今まで、家族だけでがんばってきて、支援を受けて来られなかった方も、困ったことがあったら、どんなことでも障害者相談支援センターに相談されるとよいでしょう。

★「基幹型相談支援センター」も、今まで聞いたことがないのですが…。

「基幹型相談支援センター」は、「相談支援センター」よりもさらに専門性の高い相談の場となります。総合的な相談も行いますが、長期に入所や入院をされている人の地域移行の支援、虐待の防止や早期発見、夜間・休日の緊急対応にも応じてもらえるようです。

さらに、成年後見制度利用支援や地域の相談支援事業者への指導・助言(スーパーバイザー)など、より専門的な相談支援を行うところです。そのために、看護師さんなどの医療系相談員も配置されるので、医療と福祉を含めた総合的な相談も可能となりました。

★今まであった「生活支援センター」となにが違うのですか。

今までのように施設に併設されるのではなく、相談支援の事務所が独立して設置され、公平性を増すとともに、気軽に相談しやすくなることを考えられています。

相談員の数も、相談支援センターには2名、基幹型には3~4名の職員が配置されていますので(川崎市は、この「相談支援センター」の委託費として、人件費・事業費・事務所運営費など年間1300万円程度を「基幹型相談支援センター」には、同様に2700万円を用意しているとの提示がありました。)

★区が違うとどうなるのですか。

利用されてこなかった方には、ピンと来ないかもしれませんが、今まで、通所されていた方のほとんどは、通所先にある「生活支援センター」を利用されていました。これからは、住んでいる区の相談支援センターに移行しなくてはならなくなったのです。

★今まで通所先で、相談を受けていた方のご意見です。


「相談支援センターの支援員さんはとても良く支援して頂いています。在学中は、親が区役所の窓口に行き、よく分からない専門的な言葉でよく分からない説明を受けて納得がいかないまま帰ってくる事も度々だったので、あれこれ親身になって相談に乗って頂け、かつ将来の自立に向けた制度やサービス施設などまでお話しして頂けると希望が湧きました。

ただ、今までの通所併設の相談支援センターは住んでいる区と違うので、新しい支援センターを探さなくてはなりません。うまくつながれるか不安です。」