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今、入所だがゆくゆくは一人暮らしがしたい、アドバイスが欲しい


Q.今、入所施設で生活しています。ゆくゆくはここを出て、地域でひとり暮らしをしたいと思うのですが、どこからどう考えたらいいのかわかりません。アドヴァイスをして下さる方はいますか。<150号>


A.施設から地域の生活へと、新たな生活への意欲をお持ちなのですね。今年度法改正のあった自立支援法で、新たに地域移行・地域定着を担当する相談支援事業が始まりました。地域で生活するには、まず住む家が必要ですね。その住居の確保やその他、どんなことが課題になるのか、相談に乗ってくれるところができました。

 

ずっと施設に暮らしていると、本当にひとりで暮らせるのかしらと不安もわいてきますよね。施設の生活と一般の住居では作りもちがいます。施設なら、呼べばすぐに支援員さんがとんできてくれるでしょうが、1人暮らしではそういうわけにもいきません。

 

どんな暮らし方をされるのか、イメージを明らかにするには、体験するのが一番です。この地域移行の支援には、この体験のための費用の援助も準備されています。事業所が提供してくれるアパートなどを利用したり、ケアホームや短期入所のお部屋を一時的に借りたりすることもプランに入っています。今、入っている施設の相談担当者に、相談されるといいですね。地域移行支援の相談支援専門員さんに繋いでもらえると思います。  

 

実際に、地域で生活している松浦さんからのアドヴァイスです。松浦さんは、生活のすべてに介助が必要で、重度訪問介護のヘルパーを1日8時間ほど利用しています。松浦さんにひとり暮らしについて聞いてみました。

 

☆ひとり暮らしの準備ってどんなことを考えればいいですか。

 

まず、自分の生活リズムの把握が必要ですね。一番はトイレ。何時にトイレに行ったかを1年間くらい記録しておいたらどうですか。トイレの時間に合わせて、ヘルパーさんに入ってもらうことになるからね。

 

☆夜中に不安になることはなかったですか。

 

ひとり暮らしをして、2~3ヶ月間は、夜中に不安になることもあったけど、4カ月もすると楽しくなってきましたね。

 

☆住んでいるのはどんなお部屋ですか。

 

市営住宅をかりています。部屋の中では、車いすを使わず床に座っての生活をしています。その方が、食事をしたり、携帯を使ったりしやすいからです。車いすの操作はできないので、車いすに乗ると全面介助になってしまいます。寝た姿勢から起きることもできないので、自分でリフトを操作して起き上がりをしています。

 

☆ひとり暮らしで困ったことは?


リフトで宙釣りになったことがあります。その時は、えいっと飛び降りました。何かあった時のための緊急通報装置はあるけれど、対応できる登録者がいないので、今は使えていません。何かあった時が不安です。

 

☆ケアホームとかに住んだ方が安心ではないですか。

 

ケアホームは、望んでいません。自分で一日の計画をたててごく普通に暮らしたいと思います。それには どうしたら良いかと考えていたら私達障害を持つ人達とヘルパーさんが一緒に住める団地やアパートが有ることが理想的だと思います。