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子の体重が重くなり入浴介助をお願いしたい


Q.●高校生の肢体不自由の息子がいます。入浴を今まで両親でやっていましたが、父親の仕事が忙しく帰りが遅いので、入浴ができないこともしばしばあります。母親一人では難しいので、ヘルパーさんに手伝ってもらいたいのですが、男性のヘルパーさんをお願いしたいと福祉事務所に問い合わせたところ、受けてくれるところがないといわれました。

 

●中学生になった娘の体重が重くなり、入浴を母親だけでやることができなくなりました。ヘルパーさんや看護師さんにお願いしているのですが、これ以上娘の体重が増えると、それも限界になりそうです。住宅改修などを考えたほうがいいのでしょうか。


A.子どもの成長と共に介助の負担は大きくなっていきますね。特に負担が大きいのが入浴です。男の子の場合、思春期になったら男性の介助者で入浴させたいと思われるのは当たり前のことです。

しかし、現実にはヘルパー派遣事業所での男性ヘルパーの数は少なく、女性のヘルパーが対応しているところがほとんどです。それも体重の重い方に対応できるヘルパーは限られているので、希望通りの回数を利用することはかなり難しいといえます。ヘルパー派遣を希望するにしても、負担の軽減のためにリフターなどの導入は考えても良いと思います。

 

入浴や移動のためのリフトは、家庭でも入れることができます。最近では、屋根や壁に穴を開けずに設置できるタイプのものもあり、賃貸住宅での導入もらくになってきました。

費用に関しては、自立促進用具の給付や住宅改修などの補助を受けることができます。この場合、更生相談所やれいんぼう川崎の在宅支援室、療育センターなどの公的機関に関わってもらわなければなりませんが、いきなりでは敷居が高いと思われている方も多いかと思います。また、うまく要望を伝えられず、導入はしてみたものの、使いこなせなかったという話しもよく聞きます。

 

まずは、リフターがどんなものなのか、また居宅でどのように入れるのが一番効率的なのか、イメージをつかむことが大切です。実際にデモ機で体験してみることや、すでに導入して利用されている居宅の見学などができるといいのですが、このへんのコーディネートは、ぜひ相談支援でがんばってほしいものです。補助があるにしても負担は大きいものなので、有効な導入で在宅生活が豊かになるといいですね。

 

中学生Aさんの場合:日中活動場所のお風呂で、リフターの業者の方に来ていただき、ネットのフィッティングをしてもらいました。

色んな種類のネットから、体の状態にあった物を選んでもらい、リフターで吊り上げたところ、すっぽり体がつつまれて抱っこされている様な姿勢で体が浮きました。
本人もうとうと眠れるほどリラックスしていて、こんなふうに移動できるのかと、とてもよく分かりました。