Q.16歳の娘には、重度の障害があります。気管切開をして、胃ろうを造設していて、酸素吸入も必要です。体調が安定しないので、年に何回も入院をしてきました。
今回、やっと退院はできましたが、体力的にも通学はできそうにありません。家に帰れたのはいいのですが、娘にずっとつきっきりの生活で、買い物にも行かれません。
ヘルパーさんをお願いしたいのですが、入浴介護を含めて1時間30分しか利用できないといわれ、困っています。<138号>
A. 医療的ケアがある方の家庭での生活を支えることは、ご家族特にお母さんにとっては、負担が大きいですね。
自立支援法になってから、特に児童へのヘルパーの派遣が厳しくなっています。
今は、「身体介護」という介護給付でヘルパーさんが入っているのですね。この身体介護、自立支援法以前なら、ご本人の障害程度や家族の生活状況を勘案して、4~5時間のヘルパーの派遣が行われていました。
今は、入浴○○分、食事に○○分というように機械的に介護内容を積み上げて、派遣が決められるようになっています。
胃ろうをされている方は、ヘルパーによる水分摂取や食事介助がないために、「身体介護」という時間の積み上げが難しいです。(医療的ケアの時間は算定されないことになっています)
自立支援法の介護給付の中に、「身体介護」ではなく「重度訪問介護」という支給があります。
これは、身体介護とか家事援助とかに分けるのではなく、外出や見守りも含めて3時間以上のヘルパー派遣が可能となります。
基本的には、18歳以上の人を対象としていますが、15歳以上であれば、児童相談所長が必要と認めた場合は、市長に通知することで、ヘルパー派遣が可能になります。
以前、16歳の方で、重度訪問介護を週1回、1日7時間の支給が認められた方がいます。
医療的ケアがある方の場合は、ヘルパーだけでは対応が困難ですから、訪問看護師さんの訪問と時間をあわせるようにすれば、お母さんは安心してお出掛けができようになると思います。
*12歳~15歳の児童の場合は、地域生活支援事業に「障害児重度訪問支援」というものがあります。15歳以下で、重度の方の支援を補うために、川崎市独自の支援として作られたものです。対象となる方は、福祉事務所に相談されるといいでしょう。