· 

退院後の家での生活が心配


Q.5歳の重い障害のある女の子の母です。娘は口から食事を食べるのが難しくなり、入院して胃ろうの手術を受けることになりました。退院した後、家でどんな生活になるのか心配です。

下には保育園に通う小さい子もいます。家に帰ったときのサポートなどあるのでしょうか。<127号>


A. 入院して経管栄養になったり、気管切開をされたりして、家庭に帰られるお子さんのご家族みなさんが、抱えられえる問題だと思います。

退院前に、病院内で経管栄養の指導を受けたとしても、院内と家庭では、環境が全く違います。

家庭では家事や子育てもあって、医療的ケアだけに専念できるわけではありませんね。私たちも、一番支援が必要な時だと思っています。

病院によっては、退院される前に、ケースワーカーが中心となって、関係者を集めて退院に向けてのケア会議を開いてくださるところもあります。そこに、訪問看護師やヘルパーも参加し、どんなケアができるか、検討がされます。

しかし、実際の支援となると、残念なことにお子さんが未就学児の場合は、川崎市では在宅支援の制度が利用できるものがありません。

入浴の介護は体重制限があり、あんしんサポートでの見守りも、未就学児は利用できません。

いろいろさがしてみたところ、地域生活支援事業の「生活サポート」だけが、年齢の制限がなく、入院から在宅への移行時に、家事などの支援ができるとしていて利用が可能のようです。一度、福祉事務所に相談してみてください。

 

同じような悩みを持たれた方を何人もみてきて、入院中の付き添いも含めて、家族を支える支援が必要だと思ってきました。障害者制度改革推進協議会でも、「障害児の在宅移行」の検討に対して、次のような文書提案がありました。ぜひぜひ、川崎市でも検討をしていただきたいと思います。

 

(第6回制度改革推進協議会 医療制度 についての大谷委員の文書提案から)

 

病院、施設からの退院移行支援がなく、退院までの支援者(ヘルパー等)のケアの積み重ねができず、未だに帰れない子どもがいる。また、支援体制がないままで退院させられ、家族だけで対応せざるを得ず、本人の命が危険にさらされている実態もある。

 

退院移行期間は在宅福祉の制度を使えるようにするか、別建てで支援策を打ち出すべきである。(例:退院までの中間支援センターをつくる。もしくは、一定期間医療も福祉も両方使えるようにする。)また、緊急時(支援体制の問題で在宅生活継続不能な状態に陥ったときを含む。)にきちんと病院、施設で受け入れられるよう、ベッドの確保のための仕組みをつくるべきである。

 

ショートステイどうなっているの?

「川崎市障害者(児)緊急時短期入所ベッド確保事業のご案内」