Q. 中学生の肢体不自由の息子がいます。定期的な通院があるのですが、だんだんと大変になってきたので、ヘルパーさんを頼もうと福祉事務所に申請に行きました。
ところが、息子の体重が40㎏に足りないので、支給が出せないと言われました。母に疾病など理由があれば出せると言われたのですが、そんな特別な要件がないと、通院を手伝ってもらうことはできないのでしょうか?
肢体不自由の児童で40㎏も体重のあるお子さんは少ないと思うのですが、そもそもなぜ通院に体重が関係あるのでしょうか?
A. お母さん一人で車イスのお子さんの通院は、雨など降ると大変ですね。電車での移動はもとより、自家用車を使っても運転中の本人への注意や車いすへの乗せおろし、また病院に到着しても車イスを押しながらの院内の移動や手続き、トイレの介助など、お子さんが大きくなればなるほど大変になっていくことが多いですね。
国の支給基準では、
「居宅介護のうち障害児に係る通院介助(身体介護を伴う場合)の対象者については、5領域10項目の調査を行った上で、障害者に係る通院介助(身体介護を伴う場合)の判断基準に準じ、日常生活において身体介護が必要な障害児であって、かつ、通院介助のサービス提供時において、「歩行」「移乗」「移動」「排尿」「排便」について介助が必要と想定されるか否かによって、それぞれの実施主体が判断する。」
となっています。体重要件は、川崎市独自の要件です。
このことについて、障害計画課の方にお話をお聞きしました。
まず、40㎏という数字ですが、これは厚労省の出している職場の腰痛予防のための指針から出ています。入浴介助では持ちあげるという作業があるので、20㎏という基準にしているそうですが、通院では持ち上げる場面は想定されていないようです。
また、そもそもなぜ川崎市独自で要件を付加しているのかについては、児童の支援はあくまでも親の養育を補完するためという前提で考えられているので、親が何らかの理由で一人で出来ないことを(のみ)支援していくための要件のようです。
ただ、このような川崎市の要件は厳しすぎるとの認識はあるそうで、今後もう少し使いやすい要件に変えていく考えはあるとのことです。
児童の養育義務が親にあるのは当然ですが、中学生や高校生になっても日常生活に介助が必要な子どもの世話が通常の養育にあたるとは考えられません。
子どもが小さいうちはなんとでもできた介助が、子どもの成長と共に難しくなっていくことは普通にあることです。
そんなとき、支援に入ってもらい、介助を手伝ったり、介助方法を一緒に考えてもらうことは、生活を続けていくためには不可欠なことです。誰かに力になってもらいたいと思ったときに、すぐに利用できる制度にしていただけるといいですね。