Q.地域療育センターが民営化されると聞きました。子どもに障害があるとわかってから、何度も親子でカウンセリングを受け、悩みの相談をしてきました。民営化されても、今までどおり、相談にのってもらえるのでしょうか。<115号>
A. 2010年西部療育センターから民営化に
今まで、川崎市の地域療育センターは、すべて公立で運営されてきました。来年度の西部地域療育センター(宮前区の向ヶ丘診療所跡地)の開設を皮切りに、2011年には中部地域療育センターも民営化される予定です。
◆西部地域療育センターを運営するのは、社会福祉法人・新生会。川崎市に初めてできた発達相談支援センターと同じ法人です。今までの地域療育センターにはなかった発達障害系の医師が常駐することになっています。
川崎市以外の市町村では、地域療育センターの運営を民間の社会福祉法人に委託しているところも多く、民営だからといって、公立と比べて必ずしも対応が悪くなるわけではないようです。
こども福祉課の方に聞きました。
(療育センターは、昨年度から市民・こども局・こども支援部こども福祉課管轄になりました。)
川崎市では、障害児に関係する地域療育センターへの相談件数が増え、今までの3療育センターでは、受け入れが厳しくなっています。
診断から、早期療育を受けるまでに長く待たされたり、通園日数も限られています(年長児でも週3回)。
早期に診断を行うための常勤医の配置や、母子分離を含めた通園日数を保障するためには、施設規模を大きくし、職員配置を増やさねばなりません。民営化することで、施設の充実を図れるのではないか、と考えています。
中部地域療育センターは、2011年に、しいのき学園・中部地域療育センターと一体となって再編整備され、社会福祉法人が運営することになりました。
当面は、井田のグランドに仮園舎が建てられます。こちらは、「指定管理者制度」で、建物は川崎市、運営は民間となります。
現在の地域療育センターは、通園施設としては契約制度による個別給付(介護給付)の対象となっていますが、通園以外の事業は、市からの委託費とし、今まで通り予算がつけられます。
公的な責任は今後児童相談所が担うなど、公と民間と調整を取りながら、よい方向に進められるように、と考えています。
*障害のある子どもたちと家族にとって、療育センターは最も頼りになる存在ですね。通園に通っている間だけでなく、診断がつく前から就学後成人するまで、いつでも相談に行ける場所として、一層の充実が望まれます。
民営化の動きに対して、行政任せにせず、当事者や関係者が関心を持っていくことが、いま一番重要だと思います。