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知的障害のある子、一人で外出できるがトラブルに巻き込まれないか心配


A.うちの子は知的障害があります。電車に乗って外出することが好きで、一人で新宿や渋谷などに出かけていきます。

一人で行動することに支障はそれほどないのですが、言葉でのコミュニケーションはうまくとることができません。

このところ、いろいろ事件が起きているので、外出先でトラブルに巻き込まれたりしないか、心配になってきました。何か情報はありますか?


A.先日、PTA対象の研修会で、弁護士さんのお話を聞く機会がありました。自閉症の障害をもつ青年が、電車に乗っているときに、小学生の女の子の肩に手をおいたということで、その女の子の保護者からの通報により、駅員さんにつきだされてしまったそうです。

その後、青年の障害についての理解が得られないまま、起訴され、逮捕、拘留ということに、進んでいったのだそうです。

 

自閉症でエコラリア(相手が言った言葉をそのまま繰り返すこと)のある人は、警察の取り調べ中に、反復した言葉を調書に書かれてしまうことで、事実とは全く違った内容の調書が出来上がってしまいます。

裁判はその調書をもとに進んでいきますから、最悪の場合は、実刑判決に結びついてしまいます。そのような不幸な事態にならないようにするためには、トラブルが起こったときに、まず、その相手とのコミュニケーション不全を解消することが大切です。そのためには、障害についての理解のある弁護士さんの助けを借りることが必要になってくる場合もあるかもしれません。

 

精神障害や知的障害のある人は、その障害ゆえに、人とのコミュニケーションがうまくいかず、「事件の犯人」にされてしまうことがあります。

先日も、知的障害の手帳を持つ男性が、服役中に、実は無罪であったということがわかったということが報道されました。そのような理不尽なことが繰り返されないよう、精神障害や知的障害の人に対する社会全体の理解が深まっていけれけばと思います。 (秋貞)

 

※宮前区にある社会福祉法人みのり会では「障害者が住みよい町をみんなで作り上げましょう」と、地域の方に 
障害者サポーターになってもらう活動を広げています。

障害者が、怪我をしたりトラブルに会ったとき、地域に住む方々が、さっと手を差し伸べてくださる街づくりを目指されています。  連絡先は 855-9455です。