◆障害者差別


▮差別について考える<223号より>

 

条約や法律の経緯

 

・「障害者権利条約」平成19年9月、この条約に署名し、この条例に批准するために必要な国内法整備として、平成23年8月「障害者基本法」の改正。

・平成24年6月「障害者総合支援法」を成立。

・平成25年6月「障害者差別解消法」が成立・「障害者雇用促進法」の改正を行い、平成26年1月「障害者権利条約」に批准しました。

 

※「障害者権利条例」とは

障害者の尊厳、自立及び自立、差別されないこと、社会参加等を一般原則として規定し、障害者に保障されるべき個々の人権及び基本的自由について定めた上で、これらを確保し促進するための措置を締約、国がとること等を定めている。

地域の取り組み(条例)について

 

地方自治体では国に先駆けて、障害者差別禁止の「条例」を作ってきました。国内初の条例は2006年、千葉県で可決され、成立。その後、北海道、岩手県、熊本県、さいたま市、八王子市…と多くの自治体が「障害のある人もない人も共にくらしやすいまちづくち」を目指して、障害者差別を禁止する条例を施行しています(川崎市はありません)。

 

2016年4月にスタートした栃木県の「障害者差別解消推進条例」では、以下のように記されています。

 

「行政機関及び事業者に加え県民は不当な差別的取扱いを禁止します。」
「県は合理的配慮をしなければならず、県民は合理的配慮をするよう努めなければなりません。」

 

→「県民」と記されているところに注目です。国の法律では踏み込めなかった一般の人からの差別についても禁止や、合理的配慮の提供の努力義務がある旨を盛り込んでいるのです。

 

同じく新潟市においても同年に「新潟市障がいもある人もない人も共に生きるまちづくり条例」が制定され、合理的配慮を民間事業者にも「法的義務」としています。

 

差別をどうとらえるか

 

上記、新潟市の条例に尽力された市議の青木氏(全盲の障害者当事者)は「条例の狙いは障がい者差別の糾弾ではない」と言っています。「慎重な意見もありました。しかし、義務化すれば、少なくともどのような配慮が必要なのか、障がい当事者と事業者の間に話し合いの機会が生まれる。
差別や偏見は、悪意ではなく、無知から生まれることがほとんどです。この条例の目的は、両者が互いに理解し合い、障がいに対する無知をなくすことにあるのです」とも言われています。

 

8月末に行われたロンドの研修でおいでいただいた、ハンセン病当事者の石山氏のお話の中でも、著者の出版にあたって樹木希林さんが「知らないことは罪だな」と語られていたそうです。

 

私たち当事者及び家族の方は、いわれもないことで、つらい思いをされていた・いる方が大多数だと思います。しかし、私たち障害当事者に接する機会がなく過ごしてきた相手に対し、いきなり「それは差別です」と言っても理解されないでしょう。

確信的に障害者差別をしている人もおりますが。そういった相手に対しても含めて、差別や偏見をなくすことに「これが正しい」という正解はないと思います、だからこそ、一人ひとりが、時には集団となって考えていかなければいけない問題なのだと思います。

障害者差別解消法
「合理的配慮」を知っていますか?