重度訪問介護とは


◆重度訪問介護とは<202号より>

重度訪問介護とは


障害者総合支援法にある制度で、重度の障害(区分4以上)があり常に介護を必要とする人を対象に、入浴や排泄、食事などの介護、調理、洗濯や掃除など生活全般にわたる援助、外出時の介護などを総合的に行なう。サービスを受ける時間は自治体が決定する。利用者の自己負担(所得額に応じて減免)以外の費用は国や自治体が負担する。という介護サービスの一つです。▶重度訪問介護(厚労省のホームページより)

対象者の拡大

障害者自立支援法(2006年度施行)では、重度訪問介護の対象は重度の肢体不自由者のみ。知的障害者・精神障害者には「行動援護」という制度がありましたが、外出時のサポートが中心で利用時間の上限も8時間と、日常的な生活支援を求める利用者にとっては不十分なものでした。

障害者総合支援法(2013年度施行)の改正を境に、2014年4月以降は知的障害者・精神障害者を加えた3障害が対象になりました。

<重度訪問介護の対象者>

重度の肢体不自由者又は重度の知的障害者、若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって、常時介護を要する障害者

具体的には障害支援区分が区分4以上であって、下記のいずれかに該当する者

・(1)二肢以上に麻痺等がある者であって、障害支援区分の認定調査項目のうち、「歩行」、「移乗」、「排尿」、「排便」のいずれもが「支援が不要」以外に認定されている者

・(2)障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者

訪問先の拡大(入院中に重度訪問介護を利用できる)

2018年度より「最重度の障害者であって重度訪問介護を利用している者に対し、入院中の医療機関においても、利用者の状態などを熟知しているヘルパーを引き続き利用し、そのニーズを的確に医療従事者に伝達する等の支援を行うことができることとした。」ということになりました。入院中でも重度訪問介護が使えるというのは、良いことなのですがいろいろと条件がつきそうですので、正式な条件が出たらお知らせいたします。

広がらない重度訪問介護

重度訪問介護について簡単に説明しました。重度訪問介護という制度は柔軟な対応ができて良い制度なのですが、行なっている事業所が非常にすくないのです。どういうことかと言うと、重度訪問介護は 24 時間介護を3人交代=8時間で行うという考え方が基本になっていて、稼働時間が少ないと事業所に入る単価が減っていくというややこしい制度設計になっているのです。単純に言ってしまえば単価が低いので行う事業所が少ないのです(ロンドは行なっています)。ですので基本単価が上がらないと、重度訪問介護は広がっていかないのです。

グループホームにも対応している重度訪問介護

 

グループホームは、原則外部からの介護サービスを認めていませんが、重度の障害者に対する介護については特例として外部介護サービス(この中に重度訪問介護が含まれます)を認めています。これは経過的措置として平成 19 年4月から開始され、3年ごとに延長されてきました。今回も全国の障害者団体の要望により平成 30 年3月31 日までだったものが平成 33 年3月 31 日まで延期されました。グループホームにおいて重度の障害者にとって外部介護サービスは必要不可欠です。経過措置ではなく恒久的な支援体制にならなければ安心して暮らしていけません。各団体と共に声を上げていき続けましょう。

【対象者】
⑴障害支援区分4以上、かつ、重度訪問介護、同行援護又は行動援護の対象者

⑵障害支援区分4以上、かつ、次の①及び②の要件をいずれも満たす者

①グループホームの個別支援計画に居住介護の利用が位置づけられていること。

②グループホームの居宅介護の利用について市町村が必要と認めること。


【利用可能なサービス】上記⑴の対象者:居宅介護又は重度訪問介護

            上記⑵の対象者:居宅介護(身体介護に係るものに限る。)