川崎市では、平成19年から、町内会・自治会又は自主防災組織等の地域の方々(「支援組織」と呼びます。)による避難体制づくりを進めていただく「災害時要援護者避難支援制度」を始めています。
具体的には、災害時に支援を希望する方から、区役所に登録申し込みをして、その情報を元に区役所が作成する名簿を町内会・自治会、自主防災組織及び民生委員等の支援組織に提供します。支援組織では、平常時からの情報を共有することにより、災害時に避難誘導や安否確認等の支援を行うこととしています。
◆2019年の台風19号を契機に
皆さんご存じの通り、2019年の台風19号は関東地方に甚大な被害をもたらし、川崎市の避難所は人が入り切れない状況となり、障害児・者も避難場所や避難方法について、皆さんも混乱をされた事と思います。
この時に、上記の要援護者避難支援制度は機能しませんでした。この事を踏まえて、川崎市は課を越えた横断的な対策を始めました。(療育ねっとわーく川崎にも説明と聞き取りをして頂きました。)
◆川崎市の災害福祉の取組(令和4年2月9日健康福祉委員会資料より抜粋)
● 在宅医療的ケア児・者への対応
大規模災害による停電時の緊急対応として、人工呼吸器を装着している医療的ケア児・者に対し、本市が用意するプラグインハイブリッド車から、医療機器の外部バッテリーへの充電ができる制度
●在宅福祉サービス利用者への対応
避難計画(優先度の高い方から順次作成)、災害時における個別避難計画の作成 令和3年5月、災害対策基本法の改正により、5年後を目途として、災害時における個別避難計画の作成が自治体に対し努力義務化されたことなどを踏まえ、本市では災害が発生し、又は災害が発生する恐れがある場合に、避難行動に支援が必要な災害時要援護者に対し、災害時の具体的な避難方法や安否確認の円滑化などを目的として、災害時個別避難計画の作成を行う。
●避難先の確保
●一次避難所要配慮スペース
市内176か所の指定避難所に、高齢者や障害者等を対象とした「要配慮スペース」を設置
● 今後検討を要する主な課題等について
(1)指定福祉避難所の指定について
・3箇所の地域リハビリテーションセンターにおいて、先行して取組を推進
・指定福祉避難所と一般の避難所の役割の整理や地域等への周知のほか、避難先
の調整等の課題の整理、検証などを行うことにより、指定福祉避難所の指定及
び円滑な開設、運営に向けた取組を推進
(2)災害時要援護者避難支援制度と個別避難計画との整合
・基本的に個別避難計画が優先されるが、両制度の整合を段階的に図る。
(3)災害時要援護者の移動支援
・一次避難所から二次避難所への移送など、災害時要援護者に対する移動手段の確保等について、関係事業者、関係局区と連携して検討
等々、川崎市も具体的な制度などを実施し、課題検討をしていきます。
この中にある災害時個別避難計画の作成は、主に相談支援専門員が作成する事となります。(医療的ケア児・者は医療的ケア児・者支援拠点が作成)優先順位があり全員が対象の計画ではありませんが、無駄なものにならないように活用されるよう、今後の経過も見ていきたいと思います。