◆地域包括支援とは


◆地域包括支援とは<196号より>


▮「地域共生社会」の実現に向けて(当面の改革工程)

去る2月7日に、厚生労働省が報道関係者各位として、ホームページ上で以下のように公表しました。

厚生労働省の「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部はこのほど、「地域共生社会」の実現に向けて(当面の改革工程)を取りまとめましたので公表します。今後、厚生労働省は地域共生社会の実現を基本コンセプトとして、本年の介護保険制度の見直し、平成30年度の介護・障害福祉の報酬改定、さらには、平成30年度に予定される生活困窮者自立支援制度の見直しなどの機会をとらえ、具体的な改革を行ってまいります。


「地域共生社会」の実現に向けて(当面の改正工程)【概要】

概要版に正しく概要として載っていますが、介護保険法障害者総合支援法児童福祉法社会福祉法を一体とすることなどを含め様々なことが、29年度に改正案として提出されます。(すでに制度改正と明記されていますが)

川崎市はこの「地域共生社会」の実現に向けてと同様な内容の「地域包括ケアシステム推進ビジョン」を昨年28年4月に打ち出しています。その窓口が「地域みまもり支援センター」です。

市の「地域包括ケアシステム推進ビジョン」とあわせて「地域共生社会」の実現に向けてを注視していく必要があるかと思います。


◆「地域共生社会」の実現に向けて(その2)<197号より>


介護保険の一部改正及び地域包括ケアシステムの強化

現在の国会で表題の通り、介護保険の一部改正について審議が行われています。その中で前号でご紹介した「共生社会の実現に向けて」も、介護保険の地域包括システムの強化案という名のもとに、合せて盛り込まれております。

(地域包括システムとは、平成23年に厚生労働省が高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるような包括的な支援・サービス提供体制の構築を目指す。)として打ち出した理念で平成24年に施行されました。

川崎市はこの国の地域包括ケアシステムだけでなく、平成26年に川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンとして、高齢者だけでなく、障害者・子ども・子育て世代・全ての地域住民を対象とする地域包括ケアシステムを構築するということを、概念として打ち出しました。

介護保険の改正というと、私たち障害福祉にはあまり関係がないと思いがちですが、65歳になれば、障害者も自動的に介護保険へ移行となります。(特定疾患などの方は45歳から対象となります。)介護保険へ移行すると障害によって介護保険では不十分な場合が出てきます。

その場合、今まで使っていた障害のサービスを使える。ということになっておりますが、一部には要件があります。

どういうことかというと、介護保険で受けるサービス支給量を使い切り、たりない場合は障害のサービスを上乗せする。となっています。あくまでも介護保険優先の原則があるため、自己負担を含め、十分なサービスが受けられるとは思えません。

さらに、今までは介護保険のサービスを行うには、介護保険事業者の認定、障害福祉のサービスを行うには、障害福祉事業者の認定がそれぞれ必要でしたが、今回の改正で介護保険または障害福祉の事業者認定のどちらかを持っていれば双方のサービスが行えるようになるというのです。

どういうことかというと介護保険事業者にも障害福祉サービスを、障害福祉事業者にも高齢者サービスを行いなさい、という事です。

地域では介護保険と障害福祉の両方の事業認定を取って行っているところもありますが(いわゆる大手というところなど)実際にこういった事業所が障害福祉のサービスを行う場合には、サービス内容を選別して行っています。基本が介護保険を主に行っているので、障害福祉で行えるサービスに限りがあるのです。

それで国は今回の改正によって、事業所やサービス人員の不足がなくなるという根拠にしているわけです。このようなことはごく一部であって、障害者が介護保険で今までの生活を維持しようとすることには無理があります。

また、介護保険でも地域包括ケアシステムの名のもとに、共生社会の実現を明確に打ち出してきました。その中には障害者、子供、地域で課題を抱えた人すべてを含むと言っているのです。

「地域共生社会の実現に向けて」については、引き続き内容を詳しく説明していかなければいけませんが、高齢者や障害者が地域で安心して暮らしていけるために共生社会というものを打ち出していますが、高齢化社会の対応のために介護の社会化としてできた介護保険が破綻したということと、増え続ける社会保障費に対して上限を設けてしまったわけですから、切り捨てが出てくるのは当たり前のことです。その部分を補うために「地域共生社会の実現に向けて」というものが出てきたのだと思います。

障害福祉の部分だけに目を向けていると、いつの間にか外堀を埋めていかれるような恰好になります。

前号でもお知らせしましたが、「共生社会の実現に向けて」は介護保険と総合支援法。児童福祉、社会福祉すべてを一体化する。と言っているわけですから、多方面に目を向けていかないといけないわけです。