◆介護保険制度と障害福祉サービスのちがい


◆介護保険制度と障害福祉サービスの違い<208号より>

そもそもの基本理念が違います

 

「介護保険」の基本理念は、加齢に伴う病気で介護を必要としている人が持っている能力に対応して、自立した日常生活が送れるように尊厳を保持しながら支援をすることです。

 

一方、「障害者総合支援法の障害福祉サービス」の基本理念は、障害の有無に関係なく基本的人権を享有する個人として、社会的に分け隔てられることなく社会生活や日常生活を営む事ができるように支援をすることです。

 

他にも、障害のある人が日常生活や社会生活を営めるように社会的障壁(日常生活・社会生活を営む上で妨げになるような制度)の除去も基本理念のひとつです。

 

介護保険の優先

 

支援の内容や機能を比較して、障害福祉サービスと同様の介護保険サービスがある場合は、原則、介護保険のサービスを優先して受けることになっています。ただし、一部併給が可能なサービスも存在します。

 

介護保険のサービスに相当するものがない障害福祉サービス固有の支援については、障害者総合支援法に基づく支援をうける事ができます。

 

※介護保険制度の円滑な利用に当たっての留意点(抜粋)

 

障害福祉サービス利用者が要介護認定等を受けた結果、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額の範囲内では、利用可能なサービス量が減少することも考えられる。

 

しかし、介護保険利用前に必要とされていたサービス量が、介護保険利用開始前後で大きく変化することは一般的には考えにくいことから、個々の実態に即した適切な運用をお願いしたい。

 

しかしながら実態は…

 

障害者が65歳になると「介護保険優先」として、

一、障害福祉サービスが削られたり、利用できなくなり社会参加が制限され、

二、経済的負担が発生し、

三、住んでいる市町村により違いが生まれる問題が全国で起きています。(岡山市では現在訴訟中です。)

 

私たちも人ごとではありませんので、国や市の動向を注視していきましょう。

障害福祉サービスと介護保険の関係
障害福祉サービスと介護保険の関係

障害福祉サービスとは?介護保険との違いは?支援の対象者、申請の手続き、審査基準、利用費を解説!の記事より図を参照しています。LITALICO発達ナビより