Q.支援学校に通う中3の男児の母です。最近、先輩方から報酬改定があり生活介護の時間が長くなった等の話を聞くようになりました。来年度から高等部、あっという間に就労です。
報酬改定で具体的に何が変わったのでしょうか?
A.中学3年生、卒業後の進路が気になってくる頃ですね。卒業後は「生活介護」をお考えでしょうか。
「生活介護」とは、障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスの中の介護給付の中で、日中活動に位置付けられているものです。
「総合支援法」では、利用できるサービスが、障害の状況によって、細かく区分されています。18歳になると、区分認定調査(3年ごとに再調査)が行われますが、生活介護は、この区分認定の3以上の方、50歳以上は2以上の方が利用できるものです。
受けられる支援内容は 「常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事介護を行うとともに、創作的活動、生産的活動の機会を提供する 」こととなっています。
ご質問の生活介護の時間が長くなったのは、以下の理由によると思われます。
生活介護の介護報酬は、利用時間に関係なく、基本は日単位で報酬が決められていました。(4時間以下の減額あり)
今回の報酬改定では、日単位ではなく、利用時間3時間以上から、1時間ごとに報酬の単位が設定されました。利用時間が長くなるほど、報酬が上がる仕組みですが、前年度までと同じ利用時間では、介護報酬が大幅に減額になるため、利用時間を伸ばす事業所も出てきています。(医療的ケアが必要な方や盲ろうの方などへの配慮あり)
時間の面では、延長支援加算が設定され、9時間以上から、12時間以上を超える場合まで、時間ごとに加算が決められています。
他の改定としては、定員の設定が変わりました。
利用定員規模ごとの基本報酬の設定 ・ 利用者数の変動に対して柔軟に対応しやすくするために、また小規模事業所の運営をしやすくするため、定員を10人ごとに設定。重症心身障害児者対応の多機能型事業所の場合は、5名以下の定員も可能なりました。
この他、医療的ケアの方への支援に焦点が当たっています。
・医療的ケアが必要な方への対応として、看護 職員の配置人数を評価。
・医療的ケアが必要な方又は重症心身障害者に対して、入浴支援を提供した場合の加算。
・医療的ケア・喀痰吸引等が必要な方に対して、登録した事業所において、必要な知識・技能を修得するための研修を修了した職員が喀痰吸引等を 行った場合の加算。
など、医療的ケア児の学校卒業後の成人施設への移行を見据えた支援が、具体的に提示されています。
▶令和6年度障害福祉等サービス報酬改定と内容の一部・重度障害者の入院時コミュニケーション支援
(紀さんの福祉情報より)