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だいぶ前に「差別解消法」という法律ができたと思いますが、その後どうなったんでしょうか


Q.最近ニュースで、LGBTQの方の差別に関する法整備のことをやっているのを見て思い出したのですが、だいぶ前に差別解消法という法律ができたと思いますが、その後どうなったんでしょうか。<261号>


A. 思い出してくれてありがとうございます。そうなんですよね。知っていた方も忘れてしまうくらいの認知度なんですよね。ちなみに今年度の内閣府の世論調査報告でも「知らない」が74.6%でした。ましてや障害者差別解消法にある合理的配慮のこととなると、一段と少なくなるでしょう。


内閣府や厚生労働省は周知のために、ホームページへの記載やチラシを作成していますが、ホームページを見たり、チラシを取り寄せるのは興味のある人だけだと思います。

話しがそれてしまいましたが、障害者差別解消法は2021年に改定されて、今まで公的機関のみが義務付けされていた、合理的配慮が民間事業者にも3年の猶予期間をもって義務付けされます。

とまあ法律的には何となく進んでいるようなのですが、これを民間事業者に周知となると、今の認知度の改善が出来ないと、かなり難しいのかなと感じます。

また川崎市では2019年12月、全国初ヘイトスピーチに罰則を設けた「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」という条例を制定し、当時は報道でもかなり取り上げられました。

この条例の中に

不当な差別 人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、出身、障害その他の事由を理由とする不当な差別をいう。

 

という文言があり、差別の対象者として、障害者も含まれています。この文言を見て”ん?”と思われる方もいらっしゃるかと思います。冒頭のLGBT法の成立で話題になった”不当な差別”という文言が含まれていて、障害者差別解消法にも同じく含まれていて、たくさんあるチラシにも含まれています。

川崎市のホームページにも同様に記載されています。が、この障害者差別解消法についてのところに、「障害のある方へのサポートブック」という障害の理解のための障害種別の特徴やサポートについて記したものを載せています。

その中の冒頭に

”ここでは、障害種別の主な特徴を記載しますが、同じ障害の種別であっても、状態や症状、ニーズは、一人ひとり違いますので、画一的な対応をするのではなく、柔軟な対応が必要です。としっかり書かれていて、取り組みはされているので、”不当な差別”という文言を訂正されていないのは残念です。

差別をなくすというのは容易ではないでしょう。まずは理解してもらうことを私たちが発信していくことかなと思います。



障害者権利条約と障害者差別解消法②(紀さんの制度情報)