Q.少し前に、東京都の友人から、医療的ケアのある子どもたちは、看護師が同乗する専用の通学車両で、登校できるようになったと聞いたのですが、神奈川の特別支援校はどうなっていますか。
昨年度から、県立の特別支援校で、医療的ケア児の通学支援を利用されている方に、聞いてみました。<259号>
A.令和4年度より、特別支援校における医療的ケア児の通学支援に向けての試行が始まり、今年度より事業の本格運用が始まりました。
懸案事項がやっと動き始め、みんなと一緒にバスに乗れるようになったお子さんが喜んでいるというお話しを聞き、良かったな~と思います。
かなり前から問題とされていた件が動き出したことには大きな一歩であると評価がある反面、個人的にはやっとかという思いが強いです。
我が家は様々な条件から学校の審議により、福祉車両による通学が認められました。しかし、週5日利用可能ではありますが、引き受けて頂ける事業所が見つからず、現時点で週1の利用で、他は相変わらず私が送迎しています。何故このようなことになっているのか、大きな問題点が二つあります。
①事業者を保護者が探さなくてはならない。
②学校に到着後解散で、看護師さんは事業所までバス、電車で戻らなければならない
の2つです。
どのご家庭も訪問看護ステーションとの関わりがあるかと思いますが、何ヶ所と契約しているご家庭は少ないと思います。いつもお世話になっているステーションからはお断りされました。何故なら学校に到着したらそこで解散だからです。
車両はそのまま事業所に戻れますが、看護師さんはバスや電車を使って戻らなければなりません。支援学校は概ね駅からだいぶ離れた場所にあるので、次のクライアントさんの訪問に間に合わないのです。バス電車の交通費は出ますが、タクシー代は出ないのです。
普段関わりのないステーションに通学だけ依頼するというのは、保護者の立場からすると、かなりハードルが高いです。
車両と看護師さん両方を抱えている事業所も、やはり時間的な問題や自分達の所の利用者さんの送迎があるため、子供一人の為に車両を出すことができず、行政からの依頼は来ているけれど…と消極的です。
まだ始まったばかりの事業なので、最初からうまく行くことは無いと理解はしています。しかし、現状のままで行くと、契約がうまく行った人は制度を利用できて、そうでない人は使えないという、公平性の観点からも問題が残ると思います。
制度があっても利用できなければ、その存在自体の意義が問われると思います。
県は、せっかく素晴らしい事業を始めてくれたのですから、誰もが使いやすい制度に改善していただけるよう、切に願います。
◆医療的ケア児通学支援事業(紀さんの福祉情報)