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障害があって地域で暮らしている方は、どのようにしているのか


Q.私はつい先日まで、実家を離れて市営住宅で暮らしていました。最初は一人暮らしをする場所が出来て、両親も安心してくれると思うと共に一人暮らしを楽しんでいました。

しかし、しばらくすると近隣住民から「音がうるさい」と苦情が来ました。私は難聴と手先で細かい作業が出来ないのと、両方に杖を使って歩行するため、部屋では四つ這いで生活します。テレビの音量や移動の際の音がうるさかったのでしょうか。

他にも自治会の清掃作業ができずただずんでいると、周囲から冷ややかな目で見られました。そのうち挨拶をしても無視されたりという状態になりました。障害があって地域で暮らしているみなさんはどのようにしているのでしょうか。<254号>


A.近所の方と上手くいかないとつらいですよね。ましてその原因が障害に起因するものだとなおさらだと思います。


今の都市部で近所づきあいをしていくというのはなかなか難しいかと思いますが、障害者地域で一人暮らしをしていること、街に出てみると車椅子の人や、知的や精神の障害の方だろうな、という人たちをみかけないほうがめずらしいと思います。

このように変わってきたのには、街に出て罵声を浴びせられたり、地域で暮らして前者の方と同じような思いをしても、自分をさらけ出して理解を求めようとされてきた、先駆者の方や、障害者団体の行動のおかげだと思います。

いまだに障害が理由でみんなと同じ学校に通えないとか、一人暮らしをするためのアパートを探すのが大変だとか、グループホームを作ろうとして地域住民が反対運動をするとか、いろいろな偏見があります。

いわゆる差別や偏見をなくしていくのは、簡単なことではないでしょう。この差別や偏見をしているといわれる方たちを、一方的に責めることは出来るのでしょうか。

このような方の多くは、今まで障害者とふれあう事もなく、障害について学ぶ機会もなく、ともすれば障害者はふれてはいけない存在、危険な存在という社会の風潮の中で暮らしてきたのではないでしょうか。

このような、社会の認識のズレをなくすために障害者権利条約や障害者差別解消法があるのだと思います。私たちが一方的に相手を責めても変わらないと思います。

 

粘り強くお互いが理解出来るようにしていくしか、ないのではないでしょうか。



障害者権利条約と障害者差別解消法①(紀さんの福祉情報)