Q.我が家は、両親とも都内で働いています。息子は養護学校高等部に通っていて、放課後デイを利用していますが、デイから帰宅後は一人で留守番をしています。そんな時に、災害が起こったら、すぐに家に帰れなかったらと思うと、とても不安になります。
息子に聞くと、一時避難所に行くものだと思っているようです。一人で、避難所に行くことは危険だと思うのですが、どうしたらよいでしょうか。《Kさん》<253号>
A..東北大震災の時、川崎市は震度4~5でした。びっくりするような揺れを経験しましたが、一部を除いて、建物の崩壊はありませんでした。それでも停電になり、都心との交通は途絶。多くの方が帰宅困難者になりました。
そんな時、登戸にお住いの方から「(障害のある)息子が、通所先から帰って家にいるのだけど、家族は誰も家に帰れない。一晩、ひとりで過ごすことは心配。助けてもらえないか。」という連絡が入りました。幸いご近所だったので、マンションにお迎えに行き、一晩一緒に過ごしました。
今回のご相談を聞いて、あの時のことがよみがえります。
川崎では、初めての大規模地震を経験し、いかに備えがなかったか、多くの教訓が残りました。現在、学校や通所などそれぞれの場では、防災マニュアルなどが作られ、訓練もされてはいますが、災害はいつ何時襲ってくるかわかりません。ご自宅だったり、外出先であったり、お一人お一人が、いろいろな状況を考えておく必要があると思います。
そういった中、川崎市では、今、災害時個別避難計画の作成を進めています。
「本市では、令和元年10月に発生した台風19号により甚大な被害を受けたことを踏まえ、避難行動に支援が必要な避難行動要支援者に対して、平時から生活面で関わりのある、相談支援専門員や通所施設等の職員等が、災害時における具体的な避難方法の検討や、避難先での配慮事項などについて、一緒に考えながら、災害時の避難に関する災害時個別避難計画の作成をお手伝いします。
この避難計画を事前に作成することで、実際に避難が必要になった時に、迷わず避難行動をとることができるようになることを目的とします。」
台風19号の時には、多摩川の沿岸地域では、一時避難所である小学校等に避難する人であふれかえりました。一時避難所だけでなく、その場に応じた避難先を考えておくことも必要です。
この個別支援計画を参考に、ご本人と一緒に、相談支援専門員の方と、避難計画を立てておかれてはどうでしょうか。ハザードマップでの危険地域の確認や避難方法など、他の支援者とともに確認されておかれるといいと思います。
◆防災啓発広報紙 「備える。かわさき」
◆災害時要援護者支援
◆「かわさき防災アプリ」
⇧川崎市のホームページより