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小学生の子が胃ろうを造設、学校、デイサービス、生活介護ではどのように対応してもらえるのか


Q. 小学生の子どもの持病が悪化し、経口で充分な栄養を取れなくなり、胃ろうを造設しました。

今は、昼食は胃ろうと経口の併用をしています。

 

・給食も胃ろうからの注入をお願いしたい場合、学校で注入をして貰うことはできますか。

・看護師が常駐していないデイサービスで注入をお願いすることは難しいでしょうか?

・遠足や宿泊学習など遠方で医療ケアが必要な場合は保護者が出向くしかありませんか?

 

・卒業後は、生活介護などで医療的ケアに対応してもらえるのでしょうか?<249号>


A. 医療的ケアの子どもたちのことが課題になったのは30年前からです。当時は、医療的ケアのある子どもたちは通学に親が付き添うか訪問教育を受けるかのどちらかでした。

医療的ケアを必要とする子どもたちが増えるにつれ、教員の中から、自分たちも医療的ケアに携わりたいという声が上がり、教育委員会等を動かし、試行を経て学校でのケアが始まりました。このような動きは、24時間ケアを必要とする難病の方たちからも上がっていました。

 

2012年、法律が変わり、一定の研修を受け医療との連携の下なら、介護職も医療的ケアができるようになりました。

実際にはどうなのか、現在28歳の医療的ケアのある方のご家族に、聞いてみました。

胃ろうによる栄養と鼻と口からの吸引が必要な方です。

 

Q.小学校の時はどうでしたか。

 

A.制度が整っていない頃です。付き添いを条件に入学が認められましたが、下の子が生まれる時期と重なり付き添うことができません。有償のボランティアで看護師さんに付き添ってもらい何とか通うことができました。

 

Q.中学校からは特別支援校ですね。

 

A.中学入学は近くに支援校ができ、同時に研修制度が整った時でした。最初の1学期は付き添いましたが、後は3号研修を受けた担任に吸引と注入をしてもらいました。

 

卒業後は、家族の願いで作られた生活介護施設に通っています。そこでも、介護職員が3号研修を受けて、吸引も胃ろうによる経管栄養も問題なくやってもらっています。

 

Q.介護職の人にやってもらうことに不安はないですか。

 

A.看護師さんもいますが、いつもそばに付き添っている介護職員が、顔色や呼吸の状態をよく見ていて、タイミングよく吸引してくれるので、体調をくずすことなく通所できています。


胃ろうによる注入もいつもと違うことがあると、電話で様子を知らせてくれて対応を伝えることができるのでとても安心です。我が子のために3号研修を受けた職員は、11名になります。



◆介護職員による医療的ケア(紀さんの福祉情報)