Q. 2022年4月1日から民法改正により成年年齢を20歳から18歳に引き下げられます。
子供名義で積み立てていた定期預金や定期積立はどうなりますか?<242号>
Q.現在の20歳以上に適用している内容を教えてください。
A.定期預金等の途中解約については、
①解約時定期の名義の子供が未成年の場合
未成年の子は、父母の親権に服し(民法818条)、親権者は子の財産管理権を有している(民法824条)
民法818条3項には、「婚姻中は原則として父母が共同して行う」と民法で記載していますが、実務的には金融機関によって対応が違いますが、例えばX信用金庫においては、親権者である親の本人確認とその親と定期名義人の子との関係を示す書類(同一生計が条件ですが、保険証等)で解約可能です。
②解約時定期の名義の子供が成年に達していた場合
成年者である子供は単独で法律行為ができるため、原則としては定期預金等の名義人の子供が金融機関に出向かなければ解約できない。
Q.なぜ民法ではそのような規定になっているのですか
A.下記に記した意思能力や行為能力が不十分な者が行う法律行為を保護するため設けられました。民法上能力は3つあるといわれております。
①権利能力
民法3条1項「私権の享有は、出生に始まる」と記載され、つまり人間以外の者は権利能力がないとされております。
②意思能力(意思表示などの法律上の判断において自己の行為の結果を判断することができる能力)
民法3条の2「法律行為の当事者が意思表示を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。」と規定しております。
無効とは、そもそも契約の効力が発生しないつまり初めから契約がなかったことになります。
一般的には、10歳未満の幼児、泥酔者、重い精神病や認知症にある者は、意思能力がないとされている。
意思能力が不十分の者の法律行為は、法定代理人が代理して行う必要がある。
知的障害の者はここに該当すると思われます。
③行為能力(法律行為を単独で有効に行うことができる能力)
民法5条1項前文「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。単に権利を得又は義務を免れる法律行為については、この限りでない」
つまり未成年者の法律行為は、法定代理人の同意が必要です。
未成年者はここに該当すると思われます。(上記②にも一部該当します)
金融機関によって対応が違いますが。2022年4月1日以降、子供名義の預金に関しては早めに金融機関に相談した方が良いと思います。(文責:中央支援PTA 町田勇)
→e-Gov法令検索より(民法:明治二十九年法律第八十九号)
◆成人になると(紀さんの福祉情報)