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車椅子で乗る福祉車両でシートベルトを装着しても死亡事故が起こったそうだが、なぜそのような事が起きるのか


Q.以前にテレビで見たのですが、車椅子で乗る福祉車両でシートベルトを装着しても、死亡事故が起こった。という事例があったという報道だったと記憶しているのですが、どうしてそのようなことが起こるのでしょうか。車を利用して移動するのは、私には必要なので少し不安なのですが。<235号>

A.富山市で昨年11月2日デイサービスを利用して、送迎時に発生した事故の事と思われます。ドライバー・スタッフと利用者様5名(内車椅子乗車1名)の乗るワゴン車にセンターラインをはみ出したとみられる乗用車が衝突、車椅子に乗っていた方が亡くなり、他の方々は怪我をされました。この時、車椅子の方は3点式ではなく、腰の部分を左右から抑える2点式を使い、胸や腹部を強く打つなどしてお亡くなりになりました。

高齢により姿勢が前かがみになっていたために首にベルトが掛からない2点式を利用していました。捜査関係者によると、事故の衝撃によってシートベルトが腰骨に当たらずに腹部が圧迫されたり、上半身が不安定になって前後に激しく揺さぶられたとみられています。

「車椅子の利用者は身体的な状況などが様々で一律に規制することは難しい」そして、車椅子は「座席」とみなされず、シートベルトの装着など法律による規制はほとんどないといえます。

※現在NPO法人かながわ福祉移動サービスネットワークにおいて、呼びかけに応じた有識者、自動車メーカー、車椅子メーカーが参加し、「車いす・車両乗車時の安全に関する研究会」を立ち上げ、どうしたら安全に車椅子のまま福祉車両乗れるかにについて検討を行っています。

シートベルト
シートベルト

対策:3点式シートベルトを首の部分やその周辺の”うっとうしい”部分を調整出来る補助具などである程度カバー出来ると思います。(らくらくシートベルトヘルパー等々アフターマーケットで販売)実際の衝撃時の検証はできていません。