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重度障害者だが、入院時にヘルパーは使えるか


Q.重度障害者ですが、入院をすることになった場合にヘルパーさんを使えるのでしょうか?<207号>


A.単身生活をしている重度障害者ですが、体調をくずしたときなどに、このまま入院になったとき病院が私の障害を理解して、きちんと対応してくれるのか心配です。

 

同じような方で、実際に入院を経験した方のお話しを聞くと、「体の動かし方をわかってもらえず苦労した」、「自分の障害ならでの体の緊張などをわかってもらえなかった」、「車椅子に乗ってトイレに行きたかったのに、車椅子には乗せてもらえず、紙おむつをつけられた」など苦労した話を聞きました。

 

これではストレスがたまって治る病気も治らないのではと不安になってしまいます。私の障害をよくわかってくれているヘルパーさんに付き添ってもらうことはできないでしょうか。

 

重度訪問介護が入院時に使えるようになりました(区分6の利用者のみ)

入院して、障害特性を理解した対応をしてくれないと困りますよね。対象になる方の条件がありますが、平成30年度より以下のとおり重度訪問介護が入院時でも使えるようになりました。

厚労省のホームページ参照 

 

・障害支援区分6の利用者に対して、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院および助産所(以下「病院等」という)への入院(入所を含む)中にコミュニケーション支援等を提供することを評価する。

具体的には以下のようになります。

 

対象者

・日常的に重度訪問介護を利用している最重度の障害者であって、医療機関に入院した者。

※障害支援区分6の者、※通院については現行制度の移動中の支援として、既に対応

 

支援内容

・利用者ごとに異なる特殊な介護方法(例:体位交換)について、医療従事者などに的確に伝達し、適切な対応につなげる(ヘルパーは看護を行わない)。

・入院前から支援を行っている等、当該患者への支援に熟知しているヘルパー

・強い不安や恐怖等による混乱(パニック)を防ぐための本人に合った環境や生活習慣を医療従事者に伝達し、病室等の環境調整や対応の改善につなげる。

 

その他

・重度訪問介護事業所と病院等が適切な連携・役割分担を入院中の障害者個別に行っていくこと

 

という新制度でヘルパーさんが入院中に付き添えるようになりました。この制度ができるまでに障害者団体の方が厚労省に訴えた結果です。粘り強く声を届けていきましょう。

 

実際の運用に関しては新制度であることを担当者に伝え、厚労省に確認してもらうことが必要になる場合があるかもしれません。

 

※ちなみに以前、お知らせしましたが川崎市には今回の制度とは別に川崎市重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業(平成28年4月以降施行)という制度がありますので、今回の制度に該当しない方はこちらも参照してみて下さい。