重複障害の娘、就学先を選ぶのに受け入れが難しい現状に残念な思いをした


Q.現在5歳の娘は、いよいよ来年小学校に就学を予定しています。重度の重複障害がありますが、地域の小学校(特別支援学級)を希望しており、学校見学会に行きました。

しかし、あれも難しい、これも難しい…など、支援級での受け入れに前向きでない印象を受け、とても残念で悔しい思いをしました。

就学説明会で聞いた「ノーマライゼーション」や「インクルージョン」などという理念と現実にギャップを感じました。<201号>

A.ノーマライゼーションプランの基本理念は、「障害のある人もない人も、お互いを尊重しながら共に支え合う、自立と共生の地域社会の実現」です。そして、このノーマライゼーションプランの理念を受けて、「障害の有無に関わらず共に学ぶ場の構築」を目指すインクルーシブ教育の推進が進められています。

川崎市でも、障がいがあっても「学区の小学校への就学」が基本とされています。そして、その子どもに必要な支援に応じて、様々な学びの場(特別支援学校、通級、訪問学級や病院内学級)を選択することが出来ることになっています。

しかし、実際は地域の支援級に通うにあたり、エレベータ―の有無を始めとするバリアフリー環境、特別支援級でのスペースや職員体制、給食の二次調理、わくわくへの送迎、看護師の配置(医療的ケアがある場合)などの問題が聞かれます。また、学校によっても環境や受け入れの土台に大きな違いがあるようです。

「その子に必要な学びの場を選ぶ」はずが、知らず知らずのうちに、Aが難しいからB、Bが難しいからC、というような学校の選び方になってしまう。これは「選択」ではないはずです。障害の重さで就学先や行き場が決まっていくのではなく、その子にあった支援や環境を整えていくというのがノーマライゼ―ションの考え方のはずです。

また、学校内だけではなく、学校への送迎が必要な児童や家庭への支援、放課後の過ごし方、わくわくでの受け入れなど、学校生活をトータルで支援する仕組みづくりと取組はまだまだこれから必要で、その途上にあるのだと思います。あきらめることなく、声を上げ続けていく事がその一歩になると思います。