Q.障害者総合支援法の見直しがあったことを知りました。入院時の付き添いをしてもらえると聞いたのですが、誰でも認められるのでしょうか?<186号>
A.入院時の付き添いの必要性は、当事者や家族の切実な願いでした。今回の見直しで、「重度障害者について、医療機関への入院時も一定の支援を可能とする」ことが明らかになり、やっと、声が届いたと思われる方も多いのではないでしょうか。このことについて、当事者の立場から、この入院時のヘルパー派遣を訴えてこられた、佐藤さんにお聞きしました。
今回の改正をどう読まれますか。
確かに認められたことは評価できますが、これは誰もというわけではなく、「重度訪問介護」の利用者に限定されていることに不安があります。
⇒重度訪問介護に係る報酬・基準について ≪論点等≫ -
厚生労働省のホームページ
日常的に重度訪問介護を利用している方となると、かなり対象は限定されるのではないでしょうか。例えば、外出などスポット的に利用されている方も認められているのかどうかなど、厚労省の通達文章がどのようなものになるか、それを川崎市がどのように解釈するかで大きく変わってくると思います。
(そもそも重度訪問介護を受けている事業者も少ないこともあり、重度訪問介護を利用されている方は、2014年度の段階で、川崎市では92名しかおられません。)
今回の国の施策だけで良しとせず、各地の自治体で取り組まれているような地域生活支援事業のコミュニケーション支援事業として、自分の意思を伝えることが難しい障害の方への支援も(この問題も以前より訴えており、厚労省としては認めているのですから)、川崎市で作り上げてほしいです。
→障害者の地域生活支援の充実 川崎市のホームページ
さらに、私の場合は一人暮らしのため、入院して最も困ったのは、自宅から着替えや郵便物をとってきてもらう人がいないということでした。どこに何があるか一番わかっているのがヘルパーさんで、そういう時にこそ利用できたらと思いました。
このように、入院時に必要な支援は、当事者の状況によって異なります。重度訪問介護利用者に限定しないでいただきたい。
すべてのことに通じるのですが、当事者の実態に合わせて、考えてほしい。当事者の話を聞いて、困っている現場を見て欲しいと思います。(この改正は平成30年度からとなります。)
⇒平成30年度障害福祉サービス等報酬改定
厚生労働省のホームページ