Q.川崎の中学1年生だった上村君の痛ましい事件から1年が経ちました。新聞報道などを読むたびに、助けられなかった無念の思いがこみ上げてきます。
2度とあのような悲しい事件が起こらないようにするには、どうしたらいいのか、大人が真剣に考えなくてはいけないと思うのですが。<184号>
A. 公判で、当時の状況が明らかになる中、周りの大人は何かできなかったかという思いに駆られます。それだけではなく、これからも、あのような事件が起きるかもしれないという、不安感にも襲われます。「貧困」や「虐待」「いじめ」、子どもたちの生活がどんどん苛酷になっていることを感じるからです。
そういった中、川崎では、この事件を受けて、「中学生死亡事件に係わる庁内対策会議」が開かれ、昨年8月に報告書としてまとめられました。それにもとづいて、再発防止に向けての具体的な対策が検討されています。
「川崎市子ども・若者ビジョン案」を提案
川崎市は、子どもを取り巻く環境が急激に変化する中、各分野での施策を横断的にとらえ、「子ども・若者」施策を体系的総合的に推進するための施策として、「川崎市子ども・若者ビジョン(案)」を2月10日に発表しました。
このビジョンの中で、「中学生死亡事件」の再発防止のための迅速な取り組みとして2016年度から2年間、「子ども・若者を見守り・支える体制の強化」と「複雑困難な課題を持つ子ども・若者や家庭への専門的な支援の充実」を「重点アクションプラン」とすることを提案。
プランの実施にあたっては、責任体制を明確化するために、来年度から庁内に「子ども未来局」を設置し、中に「青少年支援室」を置くことで、支援強化を図るとしています。
地域みまもり支援センター設置
また、各区の保険福祉センターに「子どもから高齢者まで、あらゆる世代の市民が、地域で生き生きと生活できる」よう「地域見守り支援センター」を設置。
さらに、これらの事業を推進するために、子ども・若者にかかわる職員が、「SOSを受け止める感度を高め」ることなど、職員の人材育成の充実も課題として挙げられています。
川崎市では「こども・若者ビジョン(案)」についての意見募集をしています。
川崎市のホームページをご覧ください。意見募集期間は2月11日~3月11日です。