車いす対応の放課後等デイサービスを作ってもらえないか


Q.身体障害のある中学部在学の子がいます。私も働いているので、学校が終わった後の放課後にみてもらえるとことがないか探しましたが、車いすの人は無理なところばかりでした。受けてもらえそうなところは、遠くてとても行かれません。

車いすの子どもでも行ける放課後等デイサービスを作ってもらえないでしょうか。<181号>


A.今、放課後等デイサービスなど、学齢期の放課後支援は、川崎市全体で50か所を超えるほどになっています。3年前には、考えられなかったことです。その中で、車いすでの対応が可能なところは、半数くらいです。ただどの事業所も10人定員で開催しているところがほとんどのため、もうすでに定員いっぱいというところも増えています。中でも医療的ケアなどに対応できる事業所はごくわずかです。

車いすの方を受け入れるとなると、広い場所を確保することが必要ですが、川崎のように家賃が高い地域では厳しいものがあります。

国は、2012年度の児童福祉法改正の際、重症心身障害児に対応するデイサービスを新たに設定しました。5名定員を基準にして、介護報酬も大幅に増額になります。

しかし、これにはかなり厳しい人員配置基準があり、専任で看護師・保育士等・機能訓練担当職員と嘱託の医師が必要とされています。これをすべてクリアすることは難しいため、自治体によっては、機能訓練担当職員の基準を緩和しているところもあります。

全国では、今、50か所ほどの重症心身対応のデイサービスができていますが、残念ながら、神奈川には1か所だけ、川崎にはありません。行政の指導や援助がない中では、ひとつの事業所で立ち上げまでもっていくには、壁が厚いように思います。

全国的にも同じ状況の中で、重症心身障害のある人にこそ支援をしようと、自らも名古屋で事業所を立ち上げながら、全国重症心身障害児デイサービスネットワークを作って、事業所づくりの指導をしている方にお会いしました。

行政の考え方によっては、川崎で重症心身障害児のための児童支援の事業所を開くことも困難でないこともわかりました。ご家族からの要望があれば、行政も対応に乗り出し、実施を検討する事業所も出てくるのではないかと思います。