Q.自立支援法の対象から外れていた「谷間の障害者」といわれていた難病の人も、総合支援法では支援が受けられると聞いたのですが。みなさんに支援が受けられるようになったのでしょうか。
難病の子ども支援全国ネットワーク会長の小林信秋さんにお話しを伺いました。<165号>
A. 難病の人も「障害者」としての支援を受けられるようになったのですか。
今回の総合支援法では、当面の措置として、「難病者等居宅介護支援事業」を受けられていた130疾患とリウマチの方だけが、難病として指定され、継続して支援が受けられるようになりました。
難病が認められたことは評価できるのですが、漏れてしまう病気の方がたくさん出ています。日本では、これまで、難病の方たちは、「障害」という概念から外されていました。
症状が変化するということがその理由のようですが、よくわからないですね。外国では、たとえば、白血病なども「障害者」として認定されているところがあります。
難病の指定を疾患名だけでするのでは指定疾患に入らない患者数の少ない方や、病名が特定されない方は、いつになっても漏れてしまうことになります。患者の方たちは、疾患名だけでなく、症状によって支援をしてほしいと願っています。
難病の子どもたちの支援についてはどうなっていますか。
難病の子どもたちについては、児童福祉法に定められていて、小児慢性特定疾患という規定がされています。
11疾患群514疾患が対象となって、「小児慢性特定疾患治療研究事業」という名目で医療費の一部が公費負担になっていますが、それ以外の人は助成の対象になりません。これも今回義務的予算としての位置付けで法改正されることになりました。
国は、新たな難病対策の法制度を考えているようですが。
難病の対象は、国の予算で義務化されていないため、各自治体によって対応がまちまちでした。国の制度として作ってほしいというのが、多くの患者や家族の願いでした。
ここにきて、国は財政事業の悪化ということで、新たな制度を作る中で、患者負担の見直しを図っています、最初示された国の素案は、特定疾患を300に拡大する代わりに、今まで無料であった重症患者にも自己負担させるなど、様々な問題を含んでいました。
小児慢性疾患についても、514から600疾患へと拡大されます。どの病気が入るのかは、これから第三者委員会が開かれることになっていて、学会からも有識者が参加して検討した上で、3月には国会に法案が提出されることになっています。
難病のこども支援全国ネットワークでは、どんな取り組みをされていますか。
回答 難病・疾病団体の方たちと、一緒に、「総合的で安心できる難病対策・小児慢性特定疾患対策の法制化」を要望しています。とくに小児慢性特定疾患では、先ほど述べた義務的経費としての法制化、20歳以降の問題を解決するトランジション、そして総合的な福祉対策の充実を働きかけています。