Q.今年の4月から、総合支援法が始まりました。テレビや新聞でも殆ど見ることがないのですが、どう変わったのでしょうか。区分認定がくなるようなことも聞いたことがあったのですが、どうなるのですか。<164号>
A.カワサキグランドデザインを考える会(GDPの会)の代表で、障害当事者の佐藤さんに、聞いてみました。
☆区分認定が変わるのですか。
今までは、身体の障害の程度(重さ)によって区分されていたものが、「必要とされる標準的な支援の度合」とわかりづらい表現で、名称も「障害支援区分」と変更になります。要するに身体状況のみではなく、総合的に判断しましょうという事のようです。
☆区分認定にはどんな問題があったのですか。
厚労省いわく、特に知的・精神障害の方たちは、今までの一次判定(質問項目に答えるフォームに記入し、コンピュータにより区分を決める)方法だと低く評価され、二次判定で(専門家の審査会・認定審査会)引き上げられるケースが多いので、一次判定で障害特性を適正に判断するため。との事ですが、当事者の特性と支援の度合いを判断するのに、様式にチェックをするだけの用紙で判断し、それをコンピュータで選別しようとする事自体、どうチェック体制を変えようと、適正な判断がなされるとは到底思えません。
☆今まで、区分認定を受けたことがありますが、何のためにやったのか、よくわかりません。
私も何のために行っているのか、何のために名称を変えてまで継続しようとするのか意義を見いだせませんが、区分をつけることにより「区分○は何時間」というガイドラインを設けることにより、この基準値時間に重みをもたせ、極力基準値の時間内で支援を収めようとしていることが現状見てとれますし、形式を介護保険制度と同様にし、将来の統合を目指しているように感じます。
☆今回の支援認定によって、当事者のニーズがよくわかってもらえるようになるのでしょうか。
今回の変更の根拠である区分ではなく支援は、まさしく障害の程度ではなく、必要とされる支援の度合いを計るためであります。
ならばその認定の前段に於いて、相談支援員の介入が必要となるはずですが、その相談支援事業もいまだに何がどう変わって、当事者はどうすればよいのかも分からない状況ですし、アセスメントなくして支援の度合いが分かるはずもなく、認定など行えないはずなのですが、現状当事者のニーズをわかってもらえるとはとてもいえません。
それどころか、一次判定の精度を上げたのだから、二次判定での認定審査会が形骸化されて、医師や相談支援員、ソーシャルワーカー等の意見が反映されなくなるのではと、非常に危惧を抱いております。