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高等部を卒業後、自立した生活をどのように考えたらよいか


Q.来年3月に、高等部を卒業します。このところ、あちらこちらで、「自立」という言葉をよく目にします。

 

今までは、重い障害のあるうちの子には関係ない将来のことと思っていて、全く考えたこともありませんでした。でも、ずっとこのまま親子で暮らしていくのかと思うと、不安もありますし、全く情報も持っていません。どんな生活を考えたらよいのでしょうか。<163号>


A.高等部を卒業されるということは、お子さんの人生にとって大きな節目となります。この時期に、将来の生活も考えたライフプランを考えられるのは大切なことですね。現状での生活としては、日中は生活介護等の通所施設に通われるとして、居住の場をどうしていくかだと思います。

 

☆ケアホームで家族から独立した生活も考えられますね。

 

現在、川崎市内には170のグループホーム・ケアホームがあり、毎年新しいホームがつくられています。1カ所に4人としても、680人以上の人が、ケアホームやグループホームで生活されてることになり、施設入所の方よりも、ずっと多いことになります。

 

ケアホームは、食事や入浴等の介護や日常生活の支援を受けながら、地域において自立した生活を共同で行う住居です。その人の状態に応じた支援が受けられますから、障害の重い方でも入居は可能です。居宅と同じ対応なので、必要とされる方には、訪問看護や医師の往診も受けられます。また、支援員だけでは、ケアが行き届かない場合には、個別でのヘルパーの派遣も可能となっています。

 

☆ケアホームの費用はどのくらいかかるのでしょう。

 

ホームによって、若干異なりますが、家賃・水光熱費・食事代等で、おおよそ5~7万円程度です。1級の障害基礎年金をもらっている方で、被服費やお小遣いを考えると、多少の補てんが必要です。世帯分離し、生活保護を申請されれば、経済的にも自立は可能となります。

 

☆どこにどんなホームがあるかわかりません。

 

ふれあい等に、ケアホームやグループホームの場所は載っていますが、空いているかどうかはわかりませんね。新しく作られつつあるホームの情報も、ご家族で探すことは難しいと思います。居住区の相談支援センターに聞いて探してもらうのが一番だと思います。

 

2面にあるのは、いま検討されている厚労省の社会保障審議会障害部会で出された資料です。家族からの自立に、相談支援センターが今後どのように関わったらよいかが分かると思います。

ここでは、ケアホームにいきなり入るのではなく、ショートステイを経験したり、ケアホームでの体験入居を行うことで、ご本人が一歩ずつ、「自立」に向けた準備をしていくことが大切だと思います。

その過程がとても大切で、それをプランニングしていくのが、相談支援の役割で、1ヶ月単位でのモニタリングをしながら、進めていくようになっています。

ケアホームの体験者をみていると、生活を変えるのは、できれば20代のうちの方がよいと思います。そして、入居された方をみていると、障害の重い軽いには関係なく、「自立」は可能で、後から思えば、ご本人はこんなに精神的に大人になっていたことに驚くこともありました。