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自立支援法が「総合支援法」に変ったが、どこがどう変わったのか


Q.自立支援法が、今年度から「総合支援法」に変わったと聞きましたが、どこがどう変わりましたか。<158号>


A.2013年度4月から、自立支援法が改正され、「障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律」略して「障害者総合支援法」となりました。

障害者総合支援法とは(リタリコのHPより)

2006年に施行された障害者自立支援法は、応益負担や障害程度区分など、多くの問題点を持っていました。そのため、当事者の違憲訴訟が各地で起こり、2009年には、厚生労働大臣が自立支援法の「廃止」を約束。

当事者も多く参加した内閣府の下での障害者制度改革推進会議総合福祉部会で、『骨格提言』がまとめられ、新たな障害者総合福祉法の成立が検討されました。

しかし、その後、2011年に「自立支援法」は、つなぎ法として改正され、さらにその「つなぎ法」の改正というかたちで、今回の総合支援法が制定されました。つまりは、自立支援法の手直しであり、新たな法律の制定とはなっていません。

 

いくつかの改正点は・・

 

障害者の範囲(障害児の範囲も同様に対応。)に、難病が加わります。 但し、対象となる難病は130程度で、新たに「制度の谷間」ができてしまうことも懸念されています。

 

「障害程度区分」が、「障害支援区分」に改められ、障害程度区分では、低く判定されていた知的障害者・精神障害者の特性を踏まえた区分判定の見直しがされます。

 

障害者に対する支援として、

 

①重度訪問介護の対象拡大―重度の肢体不自由者だけでなく、重度の知的障害や発達障害のある人も利用可能に

 

② 共同生活介護(ケアホーム)の共同生活援助(グループホーム)への一元化―

 

③ 地域移行支援の対象拡大

 

④ 地域生活支援事業の追加

 

サービス基盤の計画的整備として

 

① 障害福祉サービス等の提供体制の確保に係る目標に関する事項

 

及び地域生活支援事業の実施に関する事項についての障害福祉計画の策定

 

② 基本指針・障害福祉計画に関する定期的な検証と見直しを法定化

 

③ 市町村は障害福祉計画を作成するに当たって、障害者等のニーズ把握等を行うことを努力義務化

 

④ 自立支援協議会の名称について、地域の実情に応じて定められるよう弾力化するとともに、当事者や家族の参画を明確化


とされています。

 

骨格提言には、「医療的ケアの拡充」もありました!

 

○ 日中活動支援の一つであるデイアクティビティセンターにおいて看護師を複数配置するなど、濃厚な医療的ケアが必要な人でも希望すれば同センターを利用できるような支援体制を確保する。併せて重症心身障害者については、児童期から成人期にわたり、医療を含む支援体制が継続的に一貫して提供される仕組みを創設する。

 

○ 地域生活に必要な医療的ケア(吸引等の他に、カニューレ交換・導尿・摘便・呼吸器操作等を含む)が、本人や家族が行うのと同等の生活支援行為として、学校、移動中など、地域生活のあらゆる場面で確保される。

 

○ 入院中においても、従来より継続的に介助し信頼関係を有する介助者(ヘルパー等)によるサポートを確保し、地域生活の継続を可能とする。