Q.娘は、3歳です。気管が閉そくして呼吸困難を起こすため、気管カニューレを入れています。カニューレ内のたんをとるためには、吸引が必要です。
しかし、他には障害がないために、療育センターの通園にはいかれず、吸引があるために幼稚園にも行かれません。学校で受け入れてもらえるかどうか今から心配です。
同じようなお子さんをお持ちの方は、今までどうされていたのでしょうか?<142号>
A.医療的ケアの子どもの就学は?
吸引や導尿、経管栄養などの医療的ケアがあっても、地域の学校に通われるお子さんが増えています。昨年は、注入が必要なお子さんの修学旅行の参加が問題になりました。
新入学児のご家族の中には、毎年同じような悩みや困惑を抱える方がおられます。学校側も、経験がないと、理解してもらうのに時間がかかります。医療的ケアの子どもたちの就学相談の窓口が公的機関の中で必要だと思いますね。
●同じような障害のあるお子さんをお持ちの後藤さんにお話を伺いました。
気管切開をしていて吸引が必要な息子の幼稚園の入園について、3年前に川崎市長あてに手紙を出しました。その時の回答では、私立の幼稚園は園ごとの教育方針に基づき園児を受け入れているので、保護者が入園前に希望する幼稚園にお願いするしかないという内容でした。
希望する園では、母子通園を要請されましたので、幼稚園には通わず、児童デイサービスを利用して就学を迎えました。
現在は健康状態も安定し、自分で咳をして痰が出せるようになりましたので、学校で吸引することはなく、ひとりで通学しています。
入学前には、学校の先生に理解していただくために、気管切開について説明に行きました。たとえば、プールはどうするかなど、具体的な対応等を確認することで、わかっていただくことができました。
兄が通っている学校だということもあって、校長先生を始め、最初から受け入れの方向でお話しを聞いてもらうことができました。
うちの場合は、学校での吸引が必要なくなったので、母が付き添わなくても通うことができましたが、吸引が必要なお子さんの場合の受け入れは簡単ではないようです。
経験してみて初めて、気管切開などの医療的ケアのある子どもたちのことを分かってもらうことが大変だということもわかりました。
今、当事者のお母さんたちで集まって、医療的ケアのある子どもたちの就学について、どの学校でも受け入れてもらうように、教育委員会にお願いしています。
同じようなことで悩んでおられる方や、この件に関して情報をお持ちの方は、連絡ください。後藤さんに繋ぎます。
*2006年東大和市の青木鈴加ちゃんは、気管切開をしていて吸引が必要だということで、保育園の入園を拒否されました。ご家族はこれを不当とし、裁判に訴え、裁判所も不当と認め「入園命令」の判決がでました。
鈴加ちゃんのために保育園には、看護師配置がされ、卒園後は、看護師が配置された普通学級に入学しました。