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身体障害者のケアホームは今までのグループホームとどう違うのか


Q.最近、身体障害者のケアホームができたそうですが、今までのグループホームとはどこが違うのでしょうか?

<141号>


A.グループホームとケアホームの違い

 

自立支援法の居住系サービスには、グループホームとケアホームがあります。

ケアホーム(共同生活介護)は自立支援法の中の『介護給付』の居住系サービスで、グループホームは『訓練等給付』になります。

ケアホームは「介護を要する知的障害者・精神障害者であって、共同生活の場において、入浴、排せつ、食事など日常生活上の世話、介護などの支援」を行います。利用できる方は、区分2以上の方になります。 

 

グループホームは「地域において共同生活を営むのに支障のない知的障害者・精神障害者に対し、主として夜間に共同生活の場において、相談その他の日常生活上の援助」を行います。区分認定の非該当の方や区分1の人も利用ができます。

つまり、「グループホーム」か「ケアホーム」かは、入居する人の障害の程度によるということになります。ひとつのホームで、グループホームとケアホームが併存することも可能です。

 

<身体障害のある人も入れます>

 

2011年10月から、グループホーム・ケアホームで、身体障害のある人の利用も可能になりました。これは、身体障害者手帳のみ取得されている方も可能になったという意味で、身体障害があっても、療育手帳を持っている方は、今までもグループホームもケアホームも利用できていました。

また、賃貸住宅で行っているケアホームに、エレベーターなどをとりつけるバリアフリー改修費の補助がされるなど、身体障害のある人がホームを利用しやすくなってきました。

 

<二つの身障のケアホームが開所>

 

今年の3月にケアホーム「マーチ」が多摩区登戸に、6月には別の法人で「るまさや」が多摩区生田に開所しました。身体障害者の人を対象にしたケアホームは、川崎市内ではまだこの2か所だけです。

 

身体障害のある人が生活するには、入浴にも食事にもマンツーマン以上の介護が必要です。夜間の排せつや体位交換、発作時の見守り、水分補給など、通常のホームのような世話人さん1名の配置だけでは介護の手が回らないだけでなく、安全が保障できませんし、安心で快適な生活は送れません。

 

<ホームにヘルパー派遣>

 

そこで、ヘルパーが必要な身体障害の人には、個人の住宅にヘルパー派遣をするのと同じように、ホームにも個別にヘルパーを派遣することが認められるようになっています。

「身体介護」や「家事支援」でのヘルパー派遣も可能ですが、長時間の支援が可能な、「重度訪問介護」で3〜6時間以上の支援を受けることもできます。