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身障のグループホームが少なく、親として運動したいがどうやったら良いか


Q. 高校生の娘は重複障害で、生活のすべてに介助が必要です。入浴など一部にはヘルパー利用もしていますが、このまま親が生活を支え続けることは出来ないと思っています。でも、川崎には身障のグループホームはなく、障害の重い子には入所施設しかありません。(その施設も足りない状況ですが)

ほかの地域には重い障害の方が暮らすグループホームがあると聞いたのですが、それは川崎にも作ることは出来ますか?親として運動したいと思っていても、何をどうやったらいいのかわかりません。


A. 横須賀市にある「ケアホームはなえみ」を運営する社会福祉法人みなと舎の、森下さんにお話をうかがいました。「はなえみ」は重度心身障害者の方が暮らすケアホームです。

 

まず、なによりも先立つのは資金をどうするかです。シビアな話で申し訳ないのですが、身障の方が暮らすホームはバリアフリーであることはもちろんですが、消防法など建築基準も厳しくなっていて既存の建物を利用するのは、大変難しい状況です。

新築の建物を建てるとなると、借地に建てるとしても、3000万以上のお金が必要になります。これは大きな負担で、これに対しては行政を当てにすることは出来ませんから、このお金をまず当事者や支援者が用意できるかどうかになります。

本人の年金を貯めたり、「大学へ行かせることを思えばという考えもあります。300万~1000万のお金は確かに大変な額ですが、本人と親の将来の「安心を買う」のであれば、どうなのでしょうね。

 

次に、ホームを建てた後それを維持していくマンパワーをどう確保するかです。「はなえみ」には入居者4名に対して、世話人(キーパーソン)1名と10名の専属スタッフがローテーションを組み、それに食事・入浴などはヘルパーも入ってケアに当たっています。

重い障害の方の生活を支えるにはこれだけ手厚い体制が必要なのです。もちろん、自立支援法に移行してからはこの体制を維持するのは大変困難でした。

国基準では到底ホームを維持することは出来ません。国基準と居宅介護事業の併用で現在の状況を維持しています。

このとき重要なのが、「個別支援計画」です。入居者ひとりひとりについて、生活全般にわたりどれだけのケアが必要かを細かく記載し、一人一人の生活を支えるのに、これだけのものが必要であり、市当局にこれを保障してほしいとお願いし認めてもらいました。

 

森下さんからはほかにも、日中活動の場の確保や、医療体制のバックアップなどいろいろなお話をうかがっています。

希望があれば勉強会などにきていただくことも、「はなえみ」を見学することも可能だそうです。

重い障害の人でも、地域で安心して住み続けることを川崎でも実現したい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひ療育ねっとわーく川崎事務局までご連絡下さい。一緒に勉強会を始めましょう。