· 

ご両親を亡くされヘルパーを使い一人暮らしをしている方の話(後半)


Q.前号で、「川崎での身体障害のある人の暮らしの実情はどうなっているの?」という質問がありました。


この点について、中原養護学校の一期生のWさん(現在48歳、男性)から、お話を聞きました。Wさんはご両親を亡くされ、現在はヘルパーを利用しながら、一人暮らしをしています。


A. 僕は両親が歳を取ってからの一人っ子でした。いずれは親から離れて一人暮らしをしなさい、と高校時代から言い聞かされていました。いま一人暮らしをしているのは、自立心があるか、やりたいことがある人でしょう。

僕の場合あまり介助の手助けは必要ありませんが、日常的に介助が必要な人は、親や家族以外の人間による介助に慣れるよう努力してきた。そういう人が一人暮らしできている。昔は近隣に養護学校がなく、遠い学校の寄宿舎に入ったりと、親もとを離れる経験を積んできたのもよかったと思います。

 

これからは、身体障害のある人の地域生活を進めるために、身体障害のある人用のグループホームも作ってほしいと思います。以前行政の人が聞き取りに来た時も、強く言わせて頂きましたが(笑)。地域で暮らすことの素晴らしさは誰もが言いますが、暮らす場所がないのが現状ですから。》

 

 

川崎市の調査によると、平成18年度の身体障害者手帳取得者数が約2万8千人。65歳以上の高齢者がそのうち約6割、65歳未満が約4割です(約1万6千人)。

そして身体障害者(児)のうち、入所施設を利用している人は279人(65歳未満の身体障害者(児)の2.4%)、通所系サービスの利用者は71人(同0.6%)、居宅介護の利用者は710人(同0.9%、障害児を除く)です(川崎市健康福祉局障害保健福祉部障害計画課『川崎市障害福祉計画』平成19年3月)。

これは知的障害の方と比較しても、非常に少ない割合と言えます。