発達相談支援センターができたそうだが、どんなところなのか?


Q. 川崎市に発達相談支援センターができたそうですね。どんなところなのでしょうか。


川崎市発達相談支援センターとは、「発達障害者自立支援法」に基づいて配置される相談機関のことです。川崎市には、今まで、発達障害全般に専門的に対応する相談機関がありませんでした。ケースワーカー、医師、臨床心理士がいます。

 

ケースワーカーの武居光さんにお話を伺いました。

 

《開所から約三カ月で、相談件数は70件ほど(3月12日時点)。子どもだけではなく、成人の方の相談にも乗っています。

 もちろん、自分の話や悩みを聞いて欲しい、というお母さんもいます。多くの相談機関では、子どもについての支援が中心で、お母さんの話をていねいに聞いてもらえなかったりしますよね。

 また、センターでは、学校の先生や支援者からの相談も受けつけています。支援者の人も、何ができるのかわからない、と悩む場合が多いでしょう。その場合は子どもの名前を伏せての相談でも大丈夫です。

 ただ、センターとしては、できるだけ、本人とご家族に直接お会いする機会を作って、いっしょに考えていきたい、と考えています。本人の「問題行動」に必ずしもとらわれず、生活全般をトータルにうけとめながら相談にのっていきたいですね。「障害」だけで見てしまうと、その人のありのままの姿が見えなくなってしまいますよね。

本当は、人と人との関係の中で、「障害」という概念自体が溶けてしまえばいい、と思っています。実際の親子は、いちいちこの子は障害者、なんて思わないで暮らしているのではないでしょうか。そういう世の中になるように、橋渡ししていければ、と思います。》

 

 武居さんのお話は、「相談とは何か」の核心に迫るものがありました。きっと相談とは、ただ使える制度やサービスを紹介して終わり、というものではありません。

人と人との「出会い」の場であり、お互いの関係をあたためていける場ではないでしょうか。そのためには、支援者同士がちゃんと話し合える環境も不可欠だと思います。「いつでもまた戻ってきていいよ。また一緒に考えましょう」という信頼がひろがっていけばいい、と思います。

もちろん、専門機関だけが頑張るのではなくて、行政も学校も支援者も当事者も家族も、お互いに関係を積み重ねていくことが必要になりそうです。

最近は相談する側にも、「使えるもの」を求めて相談先・支援先を転々とし、即座に答えを求める方が目立つように思います。「相談」を身近なものとして、敷居を下げていければ。そういう意味での出会いを重ねていきましょう。

 

川崎市発達相談支援センター

川崎区砂子1-7-5 タケシゲビル3F

TEL 044-223-3304

FAX 044-200-0206