Q.知的障害者の21歳になる娘の今後のサポートがとても心配です。現在、衣服の着脱・食事・トイレは見守り、一部介助である程度自分で出来るようになってきており、言葉での指示も大体のことは理解できます。
高校生の頃から、ヘルパーを頼んで外出していて、現在は毎週土曜日か日曜日に1対1の外出支援を受けていますが、子どもは毎回楽しみにしていて、それを糧に施設での作業もがんばれています。
が、今回障害者自立支援法で制度が大きく変わってしまい、これから判定される区分によって今まで使っていた支援も使えなくなるようですが、介護の項目が80%(と聞いています)の調査では、うちの子の場合判定が軽く見られてしまうのでは?と不安で仕方ありません。
一人で身体を動かすことができても、一人で行きたいところに行くことはできないのです。(これまでのような外出支援を受けることができなくなったら、家で過ごすか、子どもがいくつになっても親と一緒に出かけるしかないのでしょうか?)
こどもが楽しく豊かな気持で、親がゆったりした気持で生活していけるよう、今使わせていただいている支援を削らないで、現状維持での支援を望んでおりますが、今後どのようになるのか?どのようにしていけば良いのか?この先が見えずとても不安です。
A.自立支援法での認定調査は106項目あり、そのうちの80項目は介護保険の認定をベースにしているため、障害特性が現れにくいことが問題になっています。
6月6日には、知的障害者の福祉サービスの確保を求める緊急集会が日比谷で行われました。17団体5500名の関係者が集まり、障害程度区分の抜本的見直しの要望も出されました。
神奈川県でも、神奈川県育成会や川崎市の地域福祉協会等7団体による緊急シンポジウム「地域での暮らしやすさを実現するために-本当にこの制度で生きられるか!-」が7月8日予定されています。
◆認定調査の方法について、支援センターの方に聞いてみました。
どこで、どのようにして受けられるのでしょうか?
「認定調査は、居住区の保健福祉センターが、利用者の方の障害等も考慮して委託した支援センターによって行われます。その人の状態がよく把握できるように、自宅や通所施設で行います。
川崎市の場合は、申出書の段階で利用者のニーズを先にお聞きすることになっています。今利用されているサポートや今後必要とされるサポートについての希望を重視することになっています。その辺りをよく申し出てくださると良いでしょう。」ということでした。
◆次に、今後の外出支援について、川崎市の自立支援担当の方に聞いてみました。
今までのような外出支援が地域生活支援事業に移行する方向で進められているようですが?
「10月から始まる市町村が行う地域生活支援事業には、(相談支援事業・コミュニケーション支援事業・日常生活用具給付等事業・地域活動支援センター機能強化事業と)移動支援事業があります。
その要綱が6月26日に行われた厚生労働省の主幹課長会議で明らかになりました。川崎市では、4月中には方向を固めるつもりでしたが、厚生労働省の要綱が出るまで待たざるを得ず、残念ながら、現時点ではまだ具体的な内容を発表することができません。
かといって、10月実施に猶予はありません。実施する中で、不具合があれば検討していこうと考えています。障害の重い方の外出については、重度訪問介護・行動援護等で保障ができます。それ以外の方は、新たに始まる地域生活支援事業の中での対応となります。」
(10月から、始まるということなのに、当事者に説明すらできない状況のようです。誰のための自立支援法なのでしょうか? ・・・谷)