· 

高校生、家族以外の人と社会経験の幅を広げたい


Q. 養護学校に通う高校生の男の子の母親です。学校へは通えていますが、土日は家に閉じこもって過ごしがちの今日この頃です。本人も外へ出たい気持はあるのですが、どこへいっていいのか、行き場所がよくわからないようです。わたしも、制度のこともあまり知りません。

身の回りのことは大体自分でできますが、外出には介助者が必要で、かれの将来のことを考えると、親以外との経験も必要かな、とも思ったり……。土日のお出かけにはヘルパーを使える、と聞いたのですが。


A.最近、同じようなご相談を続いて受けました。それだけ、ご本人と家庭の潜在的ニーズがあるのだと思います。将来のことを考えると、家族以外の人とかかわることで社会的経験の幅をひろげてもらいたい、という方もいました。

 

まずお尋ねの件ですが、高校生以上の方については、ヘルパーの「外出介護」が利用できます。土日のお出かけなどに、ヘルパーがついていくものです。

これは、基本的には各区の保健福祉センター(福祉事務所)へ連絡するのですが、不安な点などあれば、まずは身近な相談機関などにご相談されてはいかがでしょうか。

 

また、ヘルパーよりも少しボランティアに近い制度として、川崎市の独自制度としての「ふれあいサポート」があります。

これは1回3時間(一日2回まで)、内容は学校送迎や見守りをふくんでいます。
連絡窓口は、NPO法人わになろう会
(電話・FAX 711-5078)です。

 

ただし、ヘルパーの外出介護、ふれあいサポートともに、10月から、制度が変わることになっていますので、その点もご心配でしたら各連絡先にお聞きしてみて下さい。

 

そもそも相談場所が身近にきちんとあることが、大切だと思います。成人の方については地域支援センターがありますが、児童期(地域療育センターに通園していない)に関しては、相談する場所ってどこなの?とやや困ってしまったりします。

たとえば各養護学校も、現在、子どもたちの地域支援を進めています。養護学校の中には、そのための「地域支援」の部門があります。(次ページ参照)

 

麻生養護学校の地域支援部の岡安先生から、以下のようなコメントをもらいました。

 

平成17年12月に中央教育審議会より出された「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」には、養護学校のセンター的機能として、以下の6つが例示されています。

① 小・中学校等の教員への支援機能

② 特別支援教育等に関する相談・情報提供機能

③ 障害のある幼児児童生徒への指導・支援機能

④ 福祉、医療、労働などの関係機関等との連絡・調整機能

⑤ 小・中学校等の教員に対する研修協力機能

⑥ 障害のある幼児児童生徒への施設設備等の提供機能

 

各養護学校等では、地域の支援センターとして、地域の支援を必要としている子どもたちに関する教育相談、地域への施設開放(体育館、音楽室など)、公開講座、ボランティア養成講座等を実施しています。

特に、教育相談機能では、地域支援/地域連携担当等が、養護学校等の専門性を生かして、地域の支援を必要としている子ども、保護者、支援者等の相談に応じます。