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自立支援医療になると自己負担金が増えるのではないか心配


Q.自立支援医療になり、自己負担が増えると聞きました。私の息子は現在1歳で、生まれつき心臓に障害があり、いずれ手術が必要といわれています。

心臓手術には100万円単位のお金が必要です。この10月から、これまでの「育成医療制度」が「自立支援医療」に変わると聞きました。自己負担が大幅に増えるのではないか、と心配です。どれくらい負担が増えるのでしょうか。

 


A. 公費負担医療見直しによる負担額の増加

 

障害者自立支援法が、いま国会で審議中。7~8月中には可決と言われます。10月に自立支援医療になってもいきなり一割負担にはならないようです(激変緩和措置)。

が、このままだと、3年後にはやはり一割負担となるでしょう。ただし、月額80万円を超える医療費は、「高額療養費」としての自己負担に変ります。

 

ご質問の方の場合は、「高額療養費」に当ります。負担がいくらかかるか、調べてみました。

 

高額療養費は「償還払い」。負担額をいったん立て替えねばなりません。

心臓手術は高度技術医療となり、1回の手術費用が200万円以上も珍しくありません。また1回の手術での完治も少なく、何度もくりかえすケースが普通です。また、差額ベッド代や食費、付添い寝具貸し出し代が、今後は「保険外負担分」として請求されます。

 

◆具体例として、「全国心臓病の子供を守る会」による試算を見てみましょう。

 

●【条件】18歳未満で、手術のため20日入院し保険診療分の総医療費が300万円かかり、所得税30万円以下の所得税課税世帯の場合。

 

 

現行の育成医療では(所得に応じて)4,600円~29,340円だった自己負担額が、自立支援医療になると、一律110,600円になります。

さらに、3年後の見直しで縮小されれば立替払いが必要になる可能性があります。

 

医療制度は複雑でわかりにくいことが多く、自立支援医療になると何がどう変わるのか、川崎市単独の医療費助成制度の理解もあわせて必要です。

 

障害児者の医療が川崎市では具体的にどう変わっていくのか、次回以降も、お知らせしていきたいと思います。