Q.息子は現在6歳で春より新一年生になりました。高機能自閉症の診断をうけています。
療育手帳の申請をしましたが、IQが92以上ある人は知的障害として認めないということで、受け付けてもらえませんでした。算数の能力はふつうにありますが、字を書くことが苦手です。
いろいろ考えた末に、通常級に入ることにしましたが、授業についていけるかどうか不安も感じています。どんな支援が考えられますか。
A.☆高機能自閉症とは、どんな障害ですか
知的障害がない自閉症のことをいいます。自閉症が軽いという意味ではなく、自閉症と同じ次の特性があるといわれています。
・人とのかかわりの持ちにくさ
・コミュニケーションをとることが困難であること、
・こだわりがあり想像力がもちにくいことです。
うちの子の場合は、字を書くことが苦手です。本人はどのように書いたらいいかがわからないため、間違いを指摘されると混乱し、自信をなくしてしまいます。
音やにおいに敏感で、そのために授業に集中できないことがあったり、友だちに嫌なことをされても言葉で言い返せないため、友だち関係がうまくいかないのではないかなど、いくつか心配なことがありました。
また急に声を出されるのをとても嫌います。知的な遅れがないため、やればできるのに怠けているだけではないかとか、しつけが悪いのではと思われることがありますが、本人の努力では直せないのが障害です。そこをわかってほしいと思います。
☆どんな支援を望まれますか
授業の中でわからないことがあっても、自分から聞くことができなかったり、先生のお話を間違って聞き取ってしまうのではないか、などの心配があります。そのあたりをサポートして下さる方がいたらと思います。
教育活動総合サポートセンターからサポーターが派遣されました。
この方は、北部療育センターのケースワーカーさんに相談され、学校を通じて派遣申請をしてもらい、教育活動サポートセンターからサポーターを派遣してもらうことができました。
このサポートセンターは、授業を援助するサポーターの派遣を行っているところです。原則は、障害のある個人への派遣ではなく、学級への派遣となるそうで、派遣申請も個人ではなく、学校長を通してということになります。
サポーターへの謝礼等は、教育委員会から出されています。学校での支援として、介助指導員の制度がありますが、この方の場合は、トイレや食事などの生活介助は必要ではありませんので、該当しませんでした。
また、入学半年前より、通級で情緒障害児学級に通い、入学後は週1回の指導を受けています。家庭への指導の仕方、担任への指導の助言を直接担任にしてくれます。
◆認定特定非営利活動法人教育活動総合サポートセンター
(川崎市高津区) 不登校やいじめ被害、学力不振などの子どもたちに対して、学習支援や保護者も対象にした教育相談、家庭訪問などを実施。教職志望の大学生らを「教育活動サポーター」として学校へ派遣もしている。
(連絡先 044-877-0553)