▮二つの裁判<230号より>
今回は二つの裁判の判決についてお伝えします。
判決結果と裁判に至る要因のみを掲載します。
●津久井やまゆり園事件 2020年3月16日判決
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人を殺傷したとして、殺人罪などに問われた元職員、植松聖被告(30)の裁判員判決の判決公判が16日、横浜地裁であった。青沼潔裁判長は被告の刑事責任能力を認めた上で「犯行結果は他と比較できないほど重大。酌量の余地は全くなく、厳しい非難は免れない」として、求刑通り死刑を言い渡した。
2016年7月26日未明、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」に元職員の植松聖被告が侵入。入所者19人を殺傷し、職員を含む26人に重軽傷を負わせたとされる事件。
●川崎就学裁判 2020年3月18日判決
重度障害を理由に就学先を神奈川県の特別支援学校に指定されたのは違法だとして、川崎市の障害児と両親が地元小学校への進学を求めた訴訟の判決で、横浜地裁(河村浩裁判長)は18日、県と市の教育委員会の判断が妥当性を欠くとは言えないなどとして、請求を棄却した。
小学校入学に際し、両親は地元の川崎市立小を希望したが、市教委は「専門的な教育が適切」として県の特別支援学校に就学するよう通知。両親は地元小の特別支援学級が適切とする主治医の診断書を提出したが、決定は変わらなかった。